富士市学童の栄養摂取状況, 生活活動及び血液性状に関する研究
成人病予防の観点から小児肥満の発生要因を明らかにするため, 静岡県富士市の小学6年生を対象に, 身体測定, 血液検査, 栄養調査, 生活時間調査を行い, 男女別に肥満の関連要因を検討し, 次の結果を得た。 1) 肥満児は, 男子7.3%, 女子11.0%であった。高コレステロール者は, 男子15.1%, 女子15.2%, 高血糖者は男子10.9%, 女子3.8%であった。 2) 肥満群, 非肥満群の比較について, 体重当たりの消費エネルギーを比較すると, 男女とも肥満群が低かった。 3) 男子肥満群では, 朝食, 夕食とも子どものみで食べる割合が高く, 食事のとり方の影響が, 一方女子肥満群で...
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Published in | 栄養学雑誌 Vol. 55; no. 3; pp. 119 - 128 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
01.06.1997
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Subjects | |
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ISSN | 0021-5147 1883-7921 |
DOI | 10.5264/eiyogakuzashi.55.119 |
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Summary: | 成人病予防の観点から小児肥満の発生要因を明らかにするため, 静岡県富士市の小学6年生を対象に, 身体測定, 血液検査, 栄養調査, 生活時間調査を行い, 男女別に肥満の関連要因を検討し, 次の結果を得た。 1) 肥満児は, 男子7.3%, 女子11.0%であった。高コレステロール者は, 男子15.1%, 女子15.2%, 高血糖者は男子10.9%, 女子3.8%であった。 2) 肥満群, 非肥満群の比較について, 体重当たりの消費エネルギーを比較すると, 男女とも肥満群が低かった。 3) 男子肥満群では, 朝食, 夕食とも子どものみで食べる割合が高く, 食事のとり方の影響が, 一方女子肥満群では, 起床・就寝時間が遅く, 運動量の少ない生活習慣の特徴が肥満に影響を与えていると考えられた。 4) 肥満度と血圧値, 血液検査所見との重回帰分析では, 男女とも最大血圧と正の関連を示し, HDLコレステロールとは負の関連を示した。 5) 肥満群では, 男女ともカルシウム, ビタミンAが少ない状況にあったが, 脂肪などのとり方, 食品のとり方には特別な問題点はみつからなかった。 |
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ISSN: | 0021-5147 1883-7921 |
DOI: | 10.5264/eiyogakuzashi.55.119 |