各種市販および自家製木酢液・竹酢液の殺虫活性と水生生物に対する影響

木酢液は高濃度でもイエバエ, モモアカアブラムシに対しては殺虫活性を示さなかった. ホソヘリカメムシに対しても殺虫活性は見られず木酢液には化学殺虫剤のような効力はないものと推察された. イエバエに対する忌避効果を室内試験で検定したが, 忌避効果は木酢液の種類によっては処理直後には観察されたが, 短時間の風乾処理によってその効果は消失した. 木酢液の1つを実験池に投与し, 水生生物に及ぼす影響を調査したが, ミジンコ, ユスリカ幼虫ともに相対密度に影響はなかった. 室内検定で求めた当該木酢液のヒメダカ, ウシガエルの幼生に対するLC50は各々0.27%と0.25%であり, これを酢酸濃度に換算し...

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Published in環動昆 Vol. 15; no. 2; pp. 95 - 105
Main Authors 本山, 直樹, 駒形, 修
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本環境動物昆虫学会 2004
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ISSN0915-4698
2189-7174
DOI10.11257/jjeez.15.95

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Summary:木酢液は高濃度でもイエバエ, モモアカアブラムシに対しては殺虫活性を示さなかった. ホソヘリカメムシに対しても殺虫活性は見られず木酢液には化学殺虫剤のような効力はないものと推察された. イエバエに対する忌避効果を室内試験で検定したが, 忌避効果は木酢液の種類によっては処理直後には観察されたが, 短時間の風乾処理によってその効果は消失した. 木酢液の1つを実験池に投与し, 水生生物に及ぼす影響を調査したが, ミジンコ, ユスリカ幼虫ともに相対密度に影響はなかった. 室内検定で求めた当該木酢液のヒメダカ, ウシガエルの幼生に対するLC50は各々0.27%と0.25%であり, これを酢酸濃度に換算し, 純粋酢酸のLC50値と比較すると, 木酢液の方が若干毒性が高い傾向が見られたので, 酢酸以外の成分も少しは毒性に関与している可能性が推察された.
ISSN:0915-4698
2189-7174
DOI:10.11257/jjeez.15.95