水熱法によるフライアッシュからのゼオライト合成とその反応機構に及ぼす原料粒径の影響

原料フライアッシュの粒子径の違いがゼオライトの生成速度及び結晶形態に与える影響について検討し, フライアッシュからのゼオライト生成機構を提案し, これを定式化した. その結果, 粒径を小さくすることで, ゼオライト合成に必要な反応時間を短縮できることが分かった.粒径の小さなフライアッシュからはフィリップサイトとヒドロキシソーダライトが得られたのに対し, 粒径が大きい場合にはフィリップサイトのみが生成され, 質量中位径が2.1μmのフライアッシュから最もアンモニウムイオン吸着能が高いゼオライトを合成できた.また, 本報で提案したモデルによって, 反応液中のイオン挙動ならびにゼオライト生成量変化を...

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Published in化学工学論文集 Vol. 25; no. 6; pp. 987 - 992
Main Authors 福井, 国博, 坂口, 浩範, 吉田, 英人, 有田, 光洋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 化学工学会 1999
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ISSN0386-216X
1349-9203
DOI10.1252/kakoronbunshu.25.987

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Summary:原料フライアッシュの粒子径の違いがゼオライトの生成速度及び結晶形態に与える影響について検討し, フライアッシュからのゼオライト生成機構を提案し, これを定式化した. その結果, 粒径を小さくすることで, ゼオライト合成に必要な反応時間を短縮できることが分かった.粒径の小さなフライアッシュからはフィリップサイトとヒドロキシソーダライトが得られたのに対し, 粒径が大きい場合にはフィリップサイトのみが生成され, 質量中位径が2.1μmのフライアッシュから最もアンモニウムイオン吸着能が高いゼオライトを合成できた.また, 本報で提案したモデルによって, 反応液中のイオン挙動ならびにゼオライト生成量変化を表現できた.さらに, 粒径が大きいフライアッシュには可溶性シリカが可溶性アルミナの2倍程度含有されているのに対し, 粒径が小さい場合はほぼ等量含まれていることが分かった.
ISSN:0386-216X
1349-9203
DOI:10.1252/kakoronbunshu.25.987