メタ分析のためのデータを用いた個々の研究の正規母平均のPretest推定量

メタ分析は公表された複数の研究の結果を統合する統計的手法の一つである.メタ分析では各研究の結果が共通平均を持つと仮定し,各研究の結果に基づき共通平均を推定することが多い.しかし各研究が共通平均を持たない場合は,与えられた個々の研究の推定値を更新した値を結果として示すことがある.本稿は,メタ分析の枠組みで個々の研究の正規母平均をPretest推定量に基づいて推定する方法について総説する.Pretest推定量のバイアス,平均二乗誤差と分散に関する新しい内容も与える.また,Rパッケージ:meta.shrinkage の使用方法について述べる.最後に,解剖学実習中における目の症状データへの適用例につい...

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Published in日本統計学会誌 Vol. 54; no. 2; pp. 73 - 108
Main Authors 武冨, 奈菜美, 今野, 良彦, 江村, 剛志, 渡辺(張), 元宗, 森, 美穂子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本統計学会 04.03.2025
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ISSN0389-5602
2189-1478
DOI10.11329/jjssj.54.73

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Summary:メタ分析は公表された複数の研究の結果を統合する統計的手法の一つである.メタ分析では各研究の結果が共通平均を持つと仮定し,各研究の結果に基づき共通平均を推定することが多い.しかし各研究が共通平均を持たない場合は,与えられた個々の研究の推定値を更新した値を結果として示すことがある.本稿は,メタ分析の枠組みで個々の研究の正規母平均をPretest推定量に基づいて推定する方法について総説する.Pretest推定量のバイアス,平均二乗誤差と分散に関する新しい内容も与える.また,Rパッケージ:meta.shrinkage の使用方法について述べる.最後に,解剖学実習中における目の症状データへの適用例についても報告する.
ISSN:0389-5602
2189-1478
DOI:10.11329/jjssj.54.73