河川堤防におけるドレーン工フィルター部の目詰まり箇所の検知を目的とした加熱式光ファイバ計測による堤体内流速のモニタリングのための基礎的実験

河川堤防の浸透対策工法の一つにドレーン工がある。本研究では,その機能が長期にわたって健全に保たれていることを把握するための手法として,光ファイバに沿った温度分布変化の連続的計測と光ファイバケーブルの加熱を組み合わせた方法であるaDTS(active Distributed Temperature Sensing)の適用を目的とした。加熱式光ファイバケーブルを堤体の縦断方向に敷設し,地中の温度変化から見掛けの熱伝導率を計測することで堤体内の流速を推定して目詰まりを検知する方法である。その基礎的な研究として,まず,水平一次元実験により堤体模型実験で使用するフィルター材を選定するとともに,見掛けの熱...

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Published in地下水学会誌 Vol. 67; no. 2; pp. 151 - 166
Main Authors 榊 利博, 森 裕紀, 小松 満, 藤井 宏和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本地下水学会 28.05.2025
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ISSN0913-4182
2185-5943
DOI10.5917/jagh.67.151

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Summary:河川堤防の浸透対策工法の一つにドレーン工がある。本研究では,その機能が長期にわたって健全に保たれていることを把握するための手法として,光ファイバに沿った温度分布変化の連続的計測と光ファイバケーブルの加熱を組み合わせた方法であるaDTS(active Distributed Temperature Sensing)の適用を目的とした。加熱式光ファイバケーブルを堤体の縦断方向に敷設し,地中の温度変化から見掛けの熱伝導率を計測することで堤体内の流速を推定して目詰まりを検知する方法である。その基礎的な研究として,まず,水平一次元実験により堤体模型実験で使用するフィルター材を選定するとともに,見掛けの熱伝導率と実流速の関係を整理した。次に,小型堤体模型実験よりフィルター材の目詰まりの有無に対する見掛けの熱伝導率の変化を把握した上で,大型堤体模型実験でaDTSの適用性を検証した。その結果,aDTSによるドレーン工のフィルター材の目詰まり検知の可能性が示唆された。
ISSN:0913-4182
2185-5943
DOI:10.5917/jagh.67.151