鉄コーティング種子調製機で製造された鉄コーティング種子の種子伝染性病害防除効果

イネもみ枯細菌病菌,苗立枯細菌病菌およびばか苗病菌の保菌種子を粒度の粗い鉄コーティング用鉄粉を用いてコーティング比0.5で造粒し,鉄コーティング種子調整機で酸化・放熱および乾燥させた実用レベルの鉄コーティング種子を育苗培土に播種して,これら3病害に対する防除効果を検定した。その結果,これら3病害に対し防除価98~100の高い防除効果が認められた。鉄コーティング種子を浸種後に播種しても,浸種中の鉄皮膜剥離や浸種液への遊離鉄分溶出による防除効果の低下は起こらないと考えられた。また,ばか苗病対象に水田土壌あるいは育苗培土を詰めたコンテナを用いた湛水直播試験でも鉄コーティング種子では全く発病しなかった...

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Published in関西病虫害研究会報 Vol. 55; pp. 23 - 30
Main Authors 宮川, 久義, 井上, 博喜, 山内, 稔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 関西病虫害研究会 2013
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ISSN0387-1002
1883-6291
DOI10.4165/kapps.55.23

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Summary:イネもみ枯細菌病菌,苗立枯細菌病菌およびばか苗病菌の保菌種子を粒度の粗い鉄コーティング用鉄粉を用いてコーティング比0.5で造粒し,鉄コーティング種子調整機で酸化・放熱および乾燥させた実用レベルの鉄コーティング種子を育苗培土に播種して,これら3病害に対する防除効果を検定した。その結果,これら3病害に対し防除価98~100の高い防除効果が認められた。鉄コーティング種子を浸種後に播種しても,浸種中の鉄皮膜剥離や浸種液への遊離鉄分溶出による防除効果の低下は起こらないと考えられた。また,ばか苗病対象に水田土壌あるいは育苗培土を詰めたコンテナを用いた湛水直播試験でも鉄コーティング種子では全く発病しなかった。鉄コーティング種子調整機で処理中の種子温度はいずれも 36°C以下であり,病害防除効果は鉄粉酸化時の発熱による殺菌作用ではないと考えられた。
ISSN:0387-1002
1883-6291
DOI:10.4165/kapps.55.23