ビート(Beta vulgaris L.)におけるベタレイン含量の品種間,生育ステージ間および部位間による差異

ヒユ科のビート(Beta vulgaris L.)は,ベタレインと呼ばれる優れた抗酸化能を有する色素を豊富に含む.しかし,日本国内において,異なる品種のベタレイン含量を検討した研究はほとんど見当たらない.また,ビートは一般に肥大根の直径が5~6 cm程度で収穫されるが,市場流通における出荷規格はほとんど決まっておらず,またベタレイン含量が最も多い収穫期に関する情報もほとんどない.そこで本研究では,肥大根の色が異なる4品種のビート, ‘デトロイト・ダークレッド’, ‘サフランイエロー’,‘ゴルゴ’および‘リボルタ’を用い,ベタレイン含量の品種間差異を検討するとともに,異なる6つの生育ステージにお...

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Published inEngeigaku kenkyuu Vol. 16; no. 3; pp. 301 - 308
Main Authors 池浦, 博美, 柘植, 一希, 渡, 萌恵, 元木, 悟
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Kyoto-City 一般社団法人 園芸学会 2017
Japan Science and Technology Agency
Subjects
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ISSN1347-2658
1880-3571
DOI10.2503/hrj.16.301

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Summary:ヒユ科のビート(Beta vulgaris L.)は,ベタレインと呼ばれる優れた抗酸化能を有する色素を豊富に含む.しかし,日本国内において,異なる品種のベタレイン含量を検討した研究はほとんど見当たらない.また,ビートは一般に肥大根の直径が5~6 cm程度で収穫されるが,市場流通における出荷規格はほとんど決まっておらず,またベタレイン含量が最も多い収穫期に関する情報もほとんどない.そこで本研究では,肥大根の色が異なる4品種のビート, ‘デトロイト・ダークレッド’, ‘サフランイエロー’,‘ゴルゴ’および‘リボルタ’を用い,ベタレイン含量の品種間差異を検討するとともに,異なる6つの生育ステージにおけるレッドビート (‘デトロイト・ダークレッド’)のベタレイン含量の変化を調べた.その結果,ベタレイン含量はレッドビート‘デトロイト・ダークレッド’が最も多かった.また,レッドビート‘デトロイト・ダークレッド’における新鮮重当たりのベタレイン含量は,肥大根の直径が5~6 cm程度の収穫適期が最も多く,その時期がベタレインを効率的に摂取するのに適した収穫期であると判断された.
Bibliography:ObjectType-Article-1
SourceType-Scholarly Journals-1
ObjectType-Feature-2
content type line 14
ISSN:1347-2658
1880-3571
DOI:10.2503/hrj.16.301