パルプ黒液を添加したバイオコールブリケットによる自動脱硝挙動
低品位炭の清浄燃焼のため, 劣質炭にバイオマスおよび脱硝剤としてパルプ黒液を添加して高圧成型し, 自己脱硝機能付バイオブリケットを開発した.バイオブリケットの窒素分の放出特性, 窒素酸化物の生成特性, 脱硝特性を明らかにするため, 電気加熱反応炉を用いて様々な実験条件で, 熱分解実験, 燃焼実験を行った. 主な結果として, 熱分解実験では石炭およびバイオマスの窒素分放出率は炉壁温度の増加に共に増加すること, 同一温度条件ではバイオマスの窒素分放出率が石炭より高いこと, 燃焼実験では窒素酸化物の総放出量は炉壁温度に対して変化していないが, 炉壁温度の増加とともにNOへの転化率は増加すること, 一...
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| Published in | 化学工学論文集 Vol. 24; no. 5; pp. 779 - 783 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益社団法人 化学工学会
1998
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| ISSN | 0386-216X 1349-9203 |
| DOI | 10.1252/kakoronbunshu.24.779 |
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| Summary: | 低品位炭の清浄燃焼のため, 劣質炭にバイオマスおよび脱硝剤としてパルプ黒液を添加して高圧成型し, 自己脱硝機能付バイオブリケットを開発した.バイオブリケットの窒素分の放出特性, 窒素酸化物の生成特性, 脱硝特性を明らかにするため, 電気加熱反応炉を用いて様々な実験条件で, 熱分解実験, 燃焼実験を行った. 主な結果として, 熱分解実験では石炭およびバイオマスの窒素分放出率は炉壁温度の増加に共に増加すること, 同一温度条件ではバイオマスの窒素分放出率が石炭より高いこと, 燃焼実験では窒素酸化物の総放出量は炉壁温度に対して変化していないが, 炉壁温度の増加とともにNOへの転化率は増加すること, 一方, その分N2Oへの転化率は減少していること等を明らかにした.パルプ黒液の添加により脱硝効果は, 揮発分放出・燃焼段階及びチャー燃焼段階で現れ, 添加量が10質量%以上で40%の脱硝率が得られることを示した.以上の結果から, パルプ黒液を添加したバイオブリケットは優れた自動脱硝能力をもっていることを世界で初めて明らかにした. |
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| ISSN: | 0386-216X 1349-9203 |
| DOI: | 10.1252/kakoronbunshu.24.779 |