地下水ガバナンス論の国際動向:文献レビュー

新たな地下水保全管理概念として地下水ガバナンスへの関心が高まっているが,その導入は容易でない。本稿では地下水ガバナンスに対する理解の深化と実践に向け,文献レビューにより国際的な研究動向を把握し,日本の地下水ガバナンス研究の課題を展望した。セミ・システマティックレビューの結果,主要な研究トピックとして,法規制・制度的枠組,越境地下水,環境正義・利害関係者の参加,意思決定を支援する技術,社会生態システム,および関連領域と地下水の統合という6 領域が特定された。今後,地下水と関連領域の政策統合,参加型管理の理論と実践,および社会生態システムとしての地下水の評価・保全に関する研究の推進が求められる。...

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Bibliographic Details
Published in地下水学会誌 Vol. 66; no. 4; pp. 275 - 301
Main Author 千葉, 知世
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本地下水学会 30.11.2024
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ISSN0913-4182
2185-5943
DOI10.5917/jagh.66.275

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Summary:新たな地下水保全管理概念として地下水ガバナンスへの関心が高まっているが,その導入は容易でない。本稿では地下水ガバナンスに対する理解の深化と実践に向け,文献レビューにより国際的な研究動向を把握し,日本の地下水ガバナンス研究の課題を展望した。セミ・システマティックレビューの結果,主要な研究トピックとして,法規制・制度的枠組,越境地下水,環境正義・利害関係者の参加,意思決定を支援する技術,社会生態システム,および関連領域と地下水の統合という6 領域が特定された。今後,地下水と関連領域の政策統合,参加型管理の理論と実践,および社会生態システムとしての地下水の評価・保全に関する研究の推進が求められる。
ISSN:0913-4182
2185-5943
DOI:10.5917/jagh.66.275