Peutz-Jeghers 型ポリープによる成人腸重積症の 1 例

症例は 32 歳,男性.幼少期に Peutz-Jeghers 症候群と診断され,13 歳時に腸重積により小腸部分切除術を施行されていた.腹痛,嘔吐を主訴に救急外来を受診し,腹部 X 線・腹部 CT 検査にて腸重積による腸閉塞の所見が認められたため緊急開腹手術が施行された.術中所見では,小腸―小腸型の腸重積を認め,壊死小腸の部分切除術を施行した.重積先進部には径 4.0 X 3.0 X 3.3 cm の小腸ポリープを認めた.また,他の空腸に,3 個のポリープを認め,いずれもポリープ切除を施行した.病理所見ではいずれも過誤腫性ポリープであった.本疾患は,新たなポリープによる腸重積の再発や,ポリープ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日大医学雑誌 Vol. 67; no. 4; pp. 242 - 245
Main Authors 加納, 久雄, 久保井, 洋一, 川崎, 篤史, 朝生, 浩, 三松, 謙司, 大井田, 尚継
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大学医学会 01.08.2008
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0029-0424
1884-0779
DOI10.4264/numa.67.242

Cover

More Information
Summary:症例は 32 歳,男性.幼少期に Peutz-Jeghers 症候群と診断され,13 歳時に腸重積により小腸部分切除術を施行されていた.腹痛,嘔吐を主訴に救急外来を受診し,腹部 X 線・腹部 CT 検査にて腸重積による腸閉塞の所見が認められたため緊急開腹手術が施行された.術中所見では,小腸―小腸型の腸重積を認め,壊死小腸の部分切除術を施行した.重積先進部には径 4.0 X 3.0 X 3.3 cm の小腸ポリープを認めた.また,他の空腸に,3 個のポリープを認め,いずれもポリープ切除を施行した.病理所見ではいずれも過誤腫性ポリープであった.本疾患は,新たなポリープによる腸重積の再発や,ポリープの悪性化,消化管外での悪性腫瘍の発生の可能性があり,長期的なフォローが必要であると考えられた.
ISSN:0029-0424
1884-0779
DOI:10.4264/numa.67.242