Osborne-Cotterill Lesionを伴う陳旧性後外側回旋不安定性の治療経験

Osborne-Cotterill lesion(OCL)は,肘関節後外側回旋不安定症(PLRI)に伴う上腕骨小頭後外側部の陥没病変を指す.OCLを伴う陳旧性PLRI4例を経験した.男女各2例,手術時年齢14~47歳で,全例肘外傷の既往があり,主訴は反復する脱臼感と疼痛であった.可動域制限はなく2例で軽度の内反肘を認め,不安定性が高度でpivot shift test陽性であった.OCL近傍に1~3個の遊離骨片を認め,OCLは小頭幅24~63%を占めた.手術は,遊離骨片を切除しLUCLを再建し,OCLは放置した.術後平均22か月の最終診察時,全例疼痛・不安定感は消失し,可動域制限はなく,学生1...

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 25; no. 2; pp. 164 - 167
Main Authors 洪, 淑貴, 長谷, 康弘, 大塚, 純子, 井戸, 洋旭, 山賀, 崇, 堀井, 恵美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2018
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ISSN1349-7324
2434-2262
DOI10.24810/jelbow.25.2_164

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Summary:Osborne-Cotterill lesion(OCL)は,肘関節後外側回旋不安定症(PLRI)に伴う上腕骨小頭後外側部の陥没病変を指す.OCLを伴う陳旧性PLRI4例を経験した.男女各2例,手術時年齢14~47歳で,全例肘外傷の既往があり,主訴は反復する脱臼感と疼痛であった.可動域制限はなく2例で軽度の内反肘を認め,不安定性が高度でpivot shift test陽性であった.OCL近傍に1~3個の遊離骨片を認め,OCLは小頭幅24~63%を占めた.手術は,遊離骨片を切除しLUCLを再建し,OCLは放置した.術後平均22か月の最終診察時,全例疼痛・不安定感は消失し,可動域制限はなく,学生1例を除く3例で原職に復帰した.OCLを伴うPLRIは,初回外傷でLUCL損傷を見逃した結果高度な不安定性を生じたと考えた.OCLの大きさにかかわらず,骨片切除とLUCL再建術にて良好な成績を得た.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.25.2_164