重度肘部管症候群に対する前骨間神経移行術の臨床成績

重度肘部管症候群に対して皮下前方移動術に加え前骨間神経移行術を行ったのでその成績を報告する.2019年から2022年までに当院で治療し12か月以上経過観察できた著明な骨間筋萎縮を認める赤堀病期分類4期以上,McGowan grade 3の5例を対象とした.手術時平均年齢は64歳(32~81歳),男性5例で観察期間は平均22か月であった.握力は術前平均健側比62%から術後94%に改善,Quick DASHは術前平均51点から術後5点に改善した.Froment徴候は5例中4例に改善傾向がみられ,鉤爪変形は5例中3例に認め,術後に2例がmodified Brand criteriaでexcellen...

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 30; no. 2; pp. 365 - 368
Main Authors 平岡, 弘二, 高田, 寛史, 西村, 大幹, 吉田, 史郎, 松浦, 充洋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2023
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ISSN1349-7324
2434-2262
DOI10.24810/jelbow.30.2_365

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Summary:重度肘部管症候群に対して皮下前方移動術に加え前骨間神経移行術を行ったのでその成績を報告する.2019年から2022年までに当院で治療し12か月以上経過観察できた著明な骨間筋萎縮を認める赤堀病期分類4期以上,McGowan grade 3の5例を対象とした.手術時平均年齢は64歳(32~81歳),男性5例で観察期間は平均22か月であった.握力は術前平均健側比62%から術後94%に改善,Quick DASHは術前平均51点から術後5点に改善した.Froment徴候は5例中4例に改善傾向がみられ,鉤爪変形は5例中3例に認め,術後に2例がmodified Brand criteriaでexcellent,1例がgoodであった.重度肘部管症候群に対し前骨間神経移行術は合併症もなく,良好な成績が得られ肘部管での除圧手術では回復困難とされている筋萎縮に対しても回復が期待できる術式と考えられる.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.30.2_365