上腕骨内側上顆炎に対する直視下手術の経験

はじめに:今回,当科での上腕骨内側上顆炎に対する直視下手術の治療成績についてまとめた. 対象:14例,男性8例,女性6例,右8肘,左6肘,年齢42歳~71歳,平均56歳を対象とした.発症から手術までの期間は3か月~48か月,平均22か月であった.術前に肘部管症候群様症状を訴えたのは2例,X線による石灰化を11例(79%)に認め,MRIを施行できた13例全例で輝度変化を認めた.手術方法は変性した屈筋群の腱組織を上腕骨起始部とともに掻爬し,尺骨神経,関節内への操作は行わなかった. 結果:平均経過観察期間15か月において14例のうち13例で疼痛は軽快したが,1例では疼痛の軽快が得られず,再手術にて尺...

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 25; no. 2; pp. 251 - 254
Main Authors 安部, 幸雄, 髙橋, 洋平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2018
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ISSN1349-7324
2434-2262
DOI10.24810/jelbow.25.2_251

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Summary:はじめに:今回,当科での上腕骨内側上顆炎に対する直視下手術の治療成績についてまとめた. 対象:14例,男性8例,女性6例,右8肘,左6肘,年齢42歳~71歳,平均56歳を対象とした.発症から手術までの期間は3か月~48か月,平均22か月であった.術前に肘部管症候群様症状を訴えたのは2例,X線による石灰化を11例(79%)に認め,MRIを施行できた13例全例で輝度変化を認めた.手術方法は変性した屈筋群の腱組織を上腕骨起始部とともに掻爬し,尺骨神経,関節内への操作は行わなかった. 結果:平均経過観察期間15か月において14例のうち13例で疼痛は軽快したが,1例では疼痛の軽快が得られず,再手術にて尺骨神経の除圧を行い疼痛は軽減した. 考察:上腕骨内側上顆炎の難治例に対する直視下手術の成績はおおむね良好であった.尺骨神経の除圧の必要性については検討が必要である.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.25.2_251