橈骨頭骨折に対する人工橈骨頭置換術の治療経験

当科で橈骨頭粉砕骨折及び橈骨頸部骨折遷延治癒に施行した人工橈骨頭置換術の治療成績を後ろ向きに比較検討した.対象は,橈骨頭粉砕骨折6例と橈骨頚部偽関節1例の7例で,平均年齢77.6歳であった. Mason-Morrey分類III型が3例,IV型が4例で,使用インプラントはAnatomic Radial Head System(ARHS)が4例,EVOLVEが3例であった.最終経過観察時の可動域やJOA-JESスコアは,使用インプラントの違いによる有意差はなかった.ARHSの4例中3例では,術後1年で2.8mmの骨透亮像を認め,その後も骨透亮像は増大傾向にあった.一方,EVOLVEの3例では術後1...

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 30; no. 2; pp. 121 - 124
Main Authors 舩本, 知里, 貝澤, 幸俊, 太田, 壮一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2023
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ISSN1349-7324
2434-2262
DOI10.24810/jelbow.30.2_121

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Summary:当科で橈骨頭粉砕骨折及び橈骨頸部骨折遷延治癒に施行した人工橈骨頭置換術の治療成績を後ろ向きに比較検討した.対象は,橈骨頭粉砕骨折6例と橈骨頚部偽関節1例の7例で,平均年齢77.6歳であった. Mason-Morrey分類III型が3例,IV型が4例で,使用インプラントはAnatomic Radial Head System(ARHS)が4例,EVOLVEが3例であった.最終経過観察時の可動域やJOA-JESスコアは,使用インプラントの違いによる有意差はなかった.ARHSの4例中3例では,術後1年で2.8mmの骨透亮像を認め,その後も骨透亮像は増大傾向にあった.一方,EVOLVEの3例では術後1年で1.3mmの骨透亮像を認め,その後骨透亮像の増大は見られなかった.再置換例は2例あった.Press-fit typeであるARHSは,高齢者を対象とした場合,ステムの弛みが増大する傾向があった.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.30.2_121