腹腔鏡下腹部ヘルニア手術の合併症の現状と予防対策

鼠径部ヘルニアにおいては,本邦でも腹腔鏡下修復術が年々増加し,2021年のNational Clinical Database(NCD)登録では,直視下手術よりも多い術式になった.また,腹壁ヘルニアにおいては,内視鏡を用いた腹膜外メッシュ修復法を中心に,新たな治療法が次々と導入されている.ただし,腹腔鏡下腹部ヘルニア修復術は,手術件数と術式の増加に伴い,これまで認められなかったような合併症が認められるようになっている.一方で,この数年間で腹部ヘルニアに関するガイドラインが矢継ぎ早に発表されていて,個々の症例に応じた最適な治療法を選択するには,継続的な知識のアップデートが必須である.また,新術式...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 85; no. 11; pp. 1493 - 1505
Main Author 今村, 清隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2024
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.85.1493

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Summary:鼠径部ヘルニアにおいては,本邦でも腹腔鏡下修復術が年々増加し,2021年のNational Clinical Database(NCD)登録では,直視下手術よりも多い術式になった.また,腹壁ヘルニアにおいては,内視鏡を用いた腹膜外メッシュ修復法を中心に,新たな治療法が次々と導入されている.ただし,腹腔鏡下腹部ヘルニア修復術は,手術件数と術式の増加に伴い,これまで認められなかったような合併症が認められるようになっている.一方で,この数年間で腹部ヘルニアに関するガイドラインが矢継ぎ早に発表されていて,個々の症例に応じた最適な治療法を選択するには,継続的な知識のアップデートが必須である.また,新術式を導入するのに必要な技術習得にも時間を要するため,座学だけでなく実技教育も重要である.これらの状況を踏まえ,本稿では最近のガイドラインを紹介し,成人の腹腔鏡下鼠径部および腹壁ヘルニア修復術の合併症とその治療について解説する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.85.1493