後天性免疫不全症候群に合併したサイトメガロウイルス食道潰瘍の1例
Acquired immunodeficiency syndrome(AIDS)の合併症は多彩である。その中でも消化管合併症は,AIDS発症の指標としても,また生命予後を左右する病態としても重要である。今回著者らはAIDS患者にCytomegalovirus(CMV)による食道潰瘍を経験したので報告する。症例は28歳男性,血友病。血液製剤によるHIV感染である。吐下血にて来院し緊急内視鏡を施行し,食道下部に露出血管を伴う周堤隆起のほとんどない打ち抜き型巨大潰瘍を認めた。生検検体をPCR法とSouthern blot法を用い,CMVを検出し,CMVによる食道潰瘍と診断した。治療はganciclo...
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| Published in | 消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy Vol. 46; pp. 91 - 93 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
16.06.1995
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| Subjects | |
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| ISSN | 0389-9403 0389-9403 |
| DOI | 10.11641/pdensks.46.0_91 |
Cover
| Summary: | Acquired immunodeficiency syndrome(AIDS)の合併症は多彩である。その中でも消化管合併症は,AIDS発症の指標としても,また生命予後を左右する病態としても重要である。今回著者らはAIDS患者にCytomegalovirus(CMV)による食道潰瘍を経験したので報告する。症例は28歳男性,血友病。血液製剤によるHIV感染である。吐下血にて来院し緊急内視鏡を施行し,食道下部に露出血管を伴う周堤隆起のほとんどない打ち抜き型巨大潰瘍を認めた。生検検体をPCR法とSouthern blot法を用い,CMVを検出し,CMVによる食道潰瘍と診断した。治療はganciclovirの点滴静注により潰瘍消失がみられた。CMVによる潰瘍は,その発生機序により血管障害が強いため,大出血をきたしやすい。特徴的な内視鏡所見を知り,迅速な診断・治療が必要である。 |
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| ISSN: | 0389-9403 0389-9403 |
| DOI: | 10.11641/pdensks.46.0_91 |