食道癌と喉頭癌を重複し郭清リンパ節に悪性リンパ腫を認めた1例

症例は64歳の男性で,貧血精査の内視鏡検査で胸部下部食道に0-IIc病変を指摘され生検にて高分化扁平上皮癌と診断された.左声帯膜様部にも白板病変を認め,高分化扁平上皮癌と診断された.食道癌の深達度は超音波内視鏡検査にてsm1,CTにて気管分岐部のリンパ節腫大を認めるも生理的な腫大と判断した.胸腔鏡補助下食道亜全摘術(D3)および腹腔鏡補助下胃管による再建術を施行した.喉頭癌(T1N0M0,Stage I)には同時にレーザー切除が施行された.術中No. 109左リンパ節が食道外膜に浸潤する所見を認めた.術後の病理組織学的診断では,食道癌は高分化扁平上皮癌pT1aN0M0,Stage 0で郭清リン...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 43; no. 1; pp. 33 - 37
Main Authors 立花, 光夫, 上田, 修平, 百留, 亮治, 西, 健, 久長, 恒洋, 衣笠, 章一, 山本, 徹, 平原, 典幸, 田中, 恒夫, 下条, 芳秀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.01.2010
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.43.33

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Summary:症例は64歳の男性で,貧血精査の内視鏡検査で胸部下部食道に0-IIc病変を指摘され生検にて高分化扁平上皮癌と診断された.左声帯膜様部にも白板病変を認め,高分化扁平上皮癌と診断された.食道癌の深達度は超音波内視鏡検査にてsm1,CTにて気管分岐部のリンパ節腫大を認めるも生理的な腫大と判断した.胸腔鏡補助下食道亜全摘術(D3)および腹腔鏡補助下胃管による再建術を施行した.喉頭癌(T1N0M0,Stage I)には同時にレーザー切除が施行された.術中No. 109左リンパ節が食道外膜に浸潤する所見を認めた.術後の病理組織学的診断では,食道癌は高分化扁平上皮癌pT1aN0M0,Stage 0で郭清リンパ節59個中扁平上皮癌の転移はなかったが,No. 109左と107リンパ節はCD79aとL26が陽性でdiffuse large B cell lymphomaと診断された.術後R-CHOP療法3クール,放射線照射後外来通院となった.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.43.33