経鼻経管栄養下で化学療法を導入できた十二指腸閉塞を伴う右副腎原発悪性リンパ腫の1例
症例は64歳、男性。201X年4月、頻回の嘔吐と少量の吐血を認め当院入院となった。画像検査では右副腎部に十二指腸及び下部胆管の圧迫性閉塞を伴う巨大な腫瘍性病変を認めた。十二指腸閉塞に対して、経鼻的にdouble elementary diet tubeを挿入し早期に経管栄養を開始した。胆管閉塞に対して、経皮経肝的胆道ドレナージを施行した。CTガイド下生検の病理の結果、悪性リンパ腫(Burkittリンパ腫とびまん性大細胞性B細胞リンパ腫の中間型)と診断し、入院29日目よりCHOP療法を開始した。化学療法の奏功により十二指腸及び総胆管の閉塞が改善したため、入院42日目に経口摂取を開始できた。消化管...
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Published in | 日本静脈経腸栄養学会雑誌 Vol. 32; no. 5; pp. 1510 - 1513 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
2017
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Subjects | |
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ISSN | 2189-0161 2189-017X |
DOI | 10.11244/jspen.32.1510 |
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Summary: | 症例は64歳、男性。201X年4月、頻回の嘔吐と少量の吐血を認め当院入院となった。画像検査では右副腎部に十二指腸及び下部胆管の圧迫性閉塞を伴う巨大な腫瘍性病変を認めた。十二指腸閉塞に対して、経鼻的にdouble elementary diet tubeを挿入し早期に経管栄養を開始した。胆管閉塞に対して、経皮経肝的胆道ドレナージを施行した。CTガイド下生検の病理の結果、悪性リンパ腫(Burkittリンパ腫とびまん性大細胞性B細胞リンパ腫の中間型)と診断し、入院29日目よりCHOP療法を開始した。化学療法の奏功により十二指腸及び総胆管の閉塞が改善したため、入院42日目に経口摂取を開始できた。消化管閉塞を伴う症例で化学療法を行う場合、有害事象のため治療継続が困難なことが多い。しかし本症例のように化学療法で奏功が期待できる場合には、経鼻経管栄養を行いながら治療を行うことが有用であり、今回報告した。 |
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ISSN: | 2189-0161 2189-017X |
DOI: | 10.11244/jspen.32.1510 |