難治性上腕骨内側上顆炎の手術成績

難治性上腕骨内側上顆炎11例に対して,小皮切での直視下手術を行ったので文献的考察を含めて報告する. 症例の内訳は,男性4例/女性7例,手術時年齢は平均53.4歳,手術までの罹病期間は平均29.5か月であった.術前3例に肘部管症候群を合併しており,1例では同側の外側上顆炎も認めていた.全例で小皮切での回内屈筋群付着部の病巣掻爬とドリリングの後に,屈筋群筋膜の修復を行った.術後平均14.8か月の経過観察を行い,JOA-JES scoreは術前65.0点から術後92.1点へ改善した.Nirschl scoreではexcellent8例/good2例/fair1例であり,fairの1例は肘部管症候群合...

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 23; no. 2; pp. 322 - 325
Main Authors 副島, 修, 松永, 渉, 村岡, 邦秀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2016
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ISSN1349-7324
2434-2262
DOI10.24810/jelbow.23.2_322

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Summary:難治性上腕骨内側上顆炎11例に対して,小皮切での直視下手術を行ったので文献的考察を含めて報告する. 症例の内訳は,男性4例/女性7例,手術時年齢は平均53.4歳,手術までの罹病期間は平均29.5か月であった.術前3例に肘部管症候群を合併しており,1例では同側の外側上顆炎も認めていた.全例で小皮切での回内屈筋群付着部の病巣掻爬とドリリングの後に,屈筋群筋膜の修復を行った.術後平均14.8か月の経過観察を行い,JOA-JES scoreは術前65.0点から術後92.1点へ改善した.Nirschl scoreではexcellent8例/good2例/fair1例であり,fairの1例は肘部管症候群合併例であった. 今回の検討からも以前の報告同様に満足できる結果が得られており,難治例に対しては十分な説明の下に試みてよい手術と考える.一方,肘部管症候群合併例では成績不良の報告も散見され注意が必要である.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.23.2_322