橈骨頭・頚部骨折内固定に伴う医原性後骨間神経麻痺の検討

橈骨頭・頚部骨折の内固定術後に後骨間神経(PIN)麻痺が発症することが知れられているが,具体的な注意点について検討された報告はない.橈骨頭・頚部骨折内固定手術後にPIN麻痺が出現した5例を対象として,同時期の同骨折内固定手術後に麻痺が出現しなかった17例(対照)と比較検討した.橈骨頭ヘッドレススクリュー(HS)単独固定例では麻痺の1例のみKocher後方進入であった.橈骨頚部プレート固定例では進入経路に麻痺群と対照群で違いはなかったが,麻痺群では前方あるいはより遠位までプレートが設置されていた.橈骨頭・頚部骨折内固定術中のPIN損傷を予防するために,術前計画でHS単独固定の場合にはなるべくCa...

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 23; no. 2; pp. 311 - 313
Main Authors 田尻, 康人, 原, 由紀則, 飯島, 準一, 川野, 健一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2016
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ISSN1349-7324
2434-2262
DOI10.24810/jelbow.23.2_311

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Summary:橈骨頭・頚部骨折の内固定術後に後骨間神経(PIN)麻痺が発症することが知れられているが,具体的な注意点について検討された報告はない.橈骨頭・頚部骨折内固定手術後にPIN麻痺が出現した5例を対象として,同時期の同骨折内固定手術後に麻痺が出現しなかった17例(対照)と比較検討した.橈骨頭ヘッドレススクリュー(HS)単独固定例では麻痺の1例のみKocher後方進入であった.橈骨頚部プレート固定例では進入経路に麻痺群と対照群で違いはなかったが,麻痺群では前方あるいはより遠位までプレートが設置されていた.橈骨頭・頚部骨折内固定術中のPIN損傷を予防するために,術前計画でHS単独固定の場合にはなるべくCadenat進入のように橈骨頭直上から進入し,プレート固定予定で設置位置が前方あるいは橈骨粗面中央より遠位とする必要がある場合には,PINを術中に展開・確保することを考慮した方が良いと考える.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.23.2_311