リアルタイム4D表示による穿刺手技支援

超音波診断装置下の穿刺手技は消化器領域で重要な役割を果たしてきた.近年,4Dプローブのアプリケーションが増え,診断・治療への応用の可能性が出てきた.2D 観察下での穿刺針と標的の位置関係は,2D画面の厚み方向ではわかりづらい.穿刺加療時に,穿刺針と周囲臓器の位置関係や,標的腫瘍での穿刺針挿入部位を知る事は大切である.通常の3D-MPR表示上では,穿刺施行時に深部方向で穿刺針の位置確認が不十分な為,4Dプローブのアプリケーションでの穿刺支援における有用性を検討した.超音波診断装置は,GE横河メディカルシステム株式会社Logiq 7 BT 07,プローブは4D3CLを使用した.穿刺針は展開型RFA...

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Published in昭和医学会雑誌 Vol. 69; no. 2; pp. 156 - 165
Main Authors 川内, 章裕, 井廻, 道夫, 石井, 誠, 森川, 賢一, 市川, 麻樹子, 佐々木, 勝己
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学学士会 28.04.2009
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ISSN0037-4342
2185-0976
DOI10.14930/jsma.69.156

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Summary:超音波診断装置下の穿刺手技は消化器領域で重要な役割を果たしてきた.近年,4Dプローブのアプリケーションが増え,診断・治療への応用の可能性が出てきた.2D 観察下での穿刺針と標的の位置関係は,2D画面の厚み方向ではわかりづらい.穿刺加療時に,穿刺針と周囲臓器の位置関係や,標的腫瘍での穿刺針挿入部位を知る事は大切である.通常の3D-MPR表示上では,穿刺施行時に深部方向で穿刺針の位置確認が不十分な為,4Dプローブのアプリケーションでの穿刺支援における有用性を検討した.超音波診断装置は,GE横河メディカルシステム株式会社Logiq 7 BT 07,プローブは4D3CLを使用した.穿刺針は展開型RFA針を用い,実験にてリアルタイム4D下の穿刺シミュレーション施行後,治療に用いた.穿刺時は,tomographic ultrasound imaging(TUI)を使用した.擬似腫瘍焼灼をTUIを用い,C-planeを観察しながら行ったところ,深さ方向での焼灼の領域が観察可能であった.次に臨床例にて,HCCに対し4D下でRFAを行った.穿刺針が到達した面,肝内での展開された針の位置,HCC全体が展開された針でカバーされているかをリアルタイムに観察することができた.また,腫瘍焼灼後には焼灼された高エコー域が元の腫瘍全体をカバーしているかどうかの確認も可能であった.リファレンス画面のA面と,穿刺針と直交する多断面C面をリアルタイムに観察し,より安全性・治療の確実性を高めることが可能となった.今回,われわれは,GE横河メディカルシステム(株)のLogiq 7 BT 07で,4Dプローブを用い,TUI表示を使用してリアルタイム3D(4D)下の穿刺手技のプロトコールを作成した.これにより,これまで以上に穿刺手技の安全性と確実性を高めることが可能であると考えられた.
ISSN:0037-4342
2185-0976
DOI:10.14930/jsma.69.156