上腕骨外側上顆炎に対する新しい保存加療―Needlingの有用性

従来の保存加療に抵抗性の上腕骨外側上顆炎14例に対して経皮的に共同腱付着部に注射針を穿刺する手技(以下Needling)の臨床成績について報告する.Needling施行前,施行後1,3,6か月時の疼痛(VAS),合併症に関して評価した.Needling施行前,施行後1,3,6か月における外側上顆の圧痛の平均VASは63→46→25→15と全ての観察期間において施術前と比べて有意に低下した.手関節背屈抵抗時の平均VASも同様に40→28→18→11と有意に低下した.全例,感染,神経損傷,出血等,Needlingに伴う合併症は認めなかった.上腕骨外側上顆炎に対するNeedlingは穿刺による局所の...

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 24; no. 2; pp. 286 - 288
Main Authors 長谷川, 正樹, 黒岩, 宇, 早川, 克彦, 鈴木, 拓, 志津, 香苗, 鈴木, 克侍, 前田, 篤志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2017
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ISSN1349-7324
2434-2262
DOI10.24810/jelbow.24.2_286

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Summary:従来の保存加療に抵抗性の上腕骨外側上顆炎14例に対して経皮的に共同腱付着部に注射針を穿刺する手技(以下Needling)の臨床成績について報告する.Needling施行前,施行後1,3,6か月時の疼痛(VAS),合併症に関して評価した.Needling施行前,施行後1,3,6か月における外側上顆の圧痛の平均VASは63→46→25→15と全ての観察期間において施術前と比べて有意に低下した.手関節背屈抵抗時の平均VASも同様に40→28→18→11と有意に低下した.全例,感染,神経損傷,出血等,Needlingに伴う合併症は認めなかった.上腕骨外側上顆炎に対するNeedlingは穿刺による局所の出血によって,病変部の治癒を促進させる効果があると考えられている.外来で施行することが可能であり,手技も簡便のため,他の保存療法に抵抗性の場合,治療の選択肢の1つとして考慮してもよいと思われた.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.24.2_286