保存加療が無効であった上腕骨内側上顆炎に対して観血的治療を施行した2例

はじめに:上腕骨内側上顆炎の中には,稀に保存療法に抵抗する難治例が存在する.手術を行った2症例を経験したので報告する. 症例1:58歳女性.5年前より右肘内側部痛が出現し,保存療法を受けるも改善なく経過した.内側上顆の圧痛とwrist flexion testが陽性であり,MRIのSTIR像で回内屈筋群起始部に高信号領域を認めた.手術は回内屈筋群起始部を腱線維方向に切開し変性組織を切除,腱付着部をドリリングした後,腱を側々縫合した.VASは術前8から1へと改善した. 症例2:45歳女性.2年前から右肘内側部痛が出現した.内側上顆の圧痛とwrist flexion testが陽性であった.手術は...

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 23; no. 2; pp. 326 - 329
Main Authors 鈴木, 昌, 酒井, 健, 上原, 大志, 田鹿, 佑太朗, 西中, 直也, 松久, 孝行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2016
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ISSN1349-7324
2434-2262
DOI10.24810/jelbow.23.2_326

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Summary:はじめに:上腕骨内側上顆炎の中には,稀に保存療法に抵抗する難治例が存在する.手術を行った2症例を経験したので報告する. 症例1:58歳女性.5年前より右肘内側部痛が出現し,保存療法を受けるも改善なく経過した.内側上顆の圧痛とwrist flexion testが陽性であり,MRIのSTIR像で回内屈筋群起始部に高信号領域を認めた.手術は回内屈筋群起始部を腱線維方向に切開し変性組織を切除,腱付着部をドリリングした後,腱を側々縫合した.VASは術前8から1へと改善した. 症例2:45歳女性.2年前から右肘内側部痛が出現した.内側上顆の圧痛とwrist flexion testが陽性であった.手術は症例1と同様に変性組織を切除,アンカーを腱付着部に挿入し腱縫合した.VASは8から2へと改善した. 考察:上腕骨内側上顆炎に対する手術は手技が比較的簡便で成績も良く,難治例に対する治療法の選択肢となり得る.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.23.2_326