Cu,Snを含有する高硬度微粒子投射材を用いたショットピーニングによるハイブリッド表面改質

ショットピ-ニングで得られる最も重要な効果は,圧縮残留応力の付与による各種部品の高強度化であり,高硬度投射材を用いることで高い効果が得られる.一方,コ-ルドスプレ-のように各種部品の表面に投射材を移着させ,成膜する技術も検討されており,この場合,低硬度投射材を用いることが移着させるための必要条件となる.このように,大きな圧縮残留応力の付与と投射材の移着は,用いる投射材の硬さにおいて相反する現象となる.本研究では,これら2つの効果を同時に得るハイブリッド表面改質の実現を目的とし,全体として高硬度を有しながら,構成相の一部にCu,Snの低硬度相を含有する投射材を試作し,これを用いたショットピ-ニン...

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Published in砥粒加工学会誌 Vol. 69; no. 1; pp. 30 - 34
Main Author 澤田, 俊之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 砥粒加工学会 01.01.2025
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ISSN0914-2703
1880-7534
DOI10.11420/jsat.69.30

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Summary:ショットピ-ニングで得られる最も重要な効果は,圧縮残留応力の付与による各種部品の高強度化であり,高硬度投射材を用いることで高い効果が得られる.一方,コ-ルドスプレ-のように各種部品の表面に投射材を移着させ,成膜する技術も検討されており,この場合,低硬度投射材を用いることが移着させるための必要条件となる.このように,大きな圧縮残留応力の付与と投射材の移着は,用いる投射材の硬さにおいて相反する現象となる.本研究では,これら2つの効果を同時に得るハイブリッド表面改質の実現を目的とし,全体として高硬度を有しながら,構成相の一部にCu,Snの低硬度相を含有する投射材を試作し,これを用いたショットピ-ニング効果を評価した.Cu,Sn相を含有する高硬度投射材をショットピ-ニングすることで,被処理材(SUJ-2焼入焼戻材)の表面に約-1500MPaの大きな圧縮残留応力が付与されると同時に,それぞれ表面のEDX面分析で10mass%以上ものCu,Snの移着が認められ,ハイブリッド表面改質を実現することに成功した.また,被処理材表面にはナノ結晶粒化(メカニカルミリング効果)とともに,移着したCu,Snの過飽和固溶(メカニカルアロイ効果)も認められた.
ISSN:0914-2703
1880-7534
DOI:10.11420/jsat.69.30