青年期女子の体型誤認と“やせ志向”の実態

本研究は,「青年期女子の“やせ”に関する健康科学的研究」の第1報として, 261人の青年期女子を対象に, 体型の誤認識と“やせ志向”の実態をアンケート法によって検討した。 結果は, 次のように要約できる。 1) 対象者の平均身長と平均体重は, それぞれ158.3cmと50.7kgで, ともに平成2年度19歳女子の全国平均値との間に有意な差は認められなかった。BMIの平均値は20.2であった。 2) 理想身長の平均値は160.7cmであり, この値は同世代の全国平均値より有意 (p<0.001) に高く, 理想体重の平均値は47.7kgで, これは全国平均値より有意 (p<0.001...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 52; no. 2; pp. 75 - 82
Main Authors 小宮, 秀一, 増田, 隆, 今井, 克己
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 1994
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ISSN0021-5147
1883-7921
DOI10.5264/eiyogakuzashi.52.75

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Summary:本研究は,「青年期女子の“やせ”に関する健康科学的研究」の第1報として, 261人の青年期女子を対象に, 体型の誤認識と“やせ志向”の実態をアンケート法によって検討した。 結果は, 次のように要約できる。 1) 対象者の平均身長と平均体重は, それぞれ158.3cmと50.7kgで, ともに平成2年度19歳女子の全国平均値との間に有意な差は認められなかった。BMIの平均値は20.2であった。 2) 理想身長の平均値は160.7cmであり, この値は同世代の全国平均値より有意 (p<0.001) に高く, 理想体重の平均値は47.7kgで, これは全国平均値より有意 (p<0.001) に低い値であった。 3) 自己の体重を“普通”であると評価した者は35.2%であり,“やせ”であると評価した者はわずか6.5%に過ぎず, 自己の体重を肥満傾向にあると評価した者が58.2%もみられた。 4)“太りぎみ”と自己評価した者の95.2%及び“太り過ぎ”と自己評価した者の85.4%は過大評価であった。 5) 体重の調節志向は,“やせ志向”が圧倒的に多く74.3%であり,“現状維持”が23.4%,“太りたい”志向はわずか2.3%に過ぎなかった。 6) 自己の体型に対する不安度は,“やせたい”群が最も高い値を示した。
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.52.75