中学校理科第2分野における食物連鎖を理解するためのフクロウのペリットを用いた教材開発と授業実践
中学校理科第2分野「自然と人間」における食物連鎖の教材として,フクロウが未消化物を胃の中で固めて口から吐き出すペリットを用いた授業実践を行った.実践の結果,生徒は実際の動物の未消化物から動物の骨格を取り出すという活動を行うことによって,食物連鎖を,イメージや概念としてではなく,実際の体験として学習・理解することが出来るようになった.また,この体験を通して,生徒は食物連鎖の学習だけでなく,フクロウの形態や食性,生態についても学習し,授業前後においてそれらの変容がみられることが分かった.しかしながら,授業によって,フクロウが″糞″をしないと考える生徒の割合が増加するなど,いくつか課題もみられること...
Saved in:
Published in | 生物教育 Vol. 51; no. 1-2; pp. 1 - 8 |
---|---|
Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本生物教育学会
2010
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0287-119X |
DOI | 10.24718/jjbe.51.1-2_1 |
Cover
Summary: | 中学校理科第2分野「自然と人間」における食物連鎖の教材として,フクロウが未消化物を胃の中で固めて口から吐き出すペリットを用いた授業実践を行った.実践の結果,生徒は実際の動物の未消化物から動物の骨格を取り出すという活動を行うことによって,食物連鎖を,イメージや概念としてではなく,実際の体験として学習・理解することが出来るようになった.また,この体験を通して,生徒は食物連鎖の学習だけでなく,フクロウの形態や食性,生態についても学習し,授業前後においてそれらの変容がみられることが分かった.しかしながら,授業によって,フクロウが″糞″をしないと考える生徒の割合が増加するなど,いくつか課題もみられることがわかった.今後,それらを改善することでよりよいこの分野における実験観察教材として利用が可能である. |
---|---|
ISSN: | 0287-119X |
DOI: | 10.24718/jjbe.51.1-2_1 |