重症頭部外傷に対する集中治療up-to-date

重症頭部外傷の治療成績はここ20年改善してきたであろうか? 低体温療法やプロゲステロン投与などさまざまな治療法が模索されてきたが, いまだわれわれは劇的な改善を得るに至らない. “重症頭部外傷” はびまん性脳損傷と局所性脳損傷が混在する不均一な病態で, 全身の多発外傷を合併することも多い. 外傷機転も一定でなく, 病態の均一化が難しいこともあり頭部外傷の分野ではエビデンスレベルの高いRCTが少ない. 治療ガイドラインはexpert opinionによって成り立つ部分が多いのが現状である. ここでは, 第4版にアップデートされた米国重症頭部外傷ガイドラインの改訂ポイントとAmerican Col...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 28; no. 10; pp. 621 - 628
Main Authors 池田, 哲也, 伊藤, 英道, 大塩, 恒太郎, 田中, 雄一郎, 小林, 敦, 内田, 将司, 佐瀬, 泰玄, 松森, 隆史, 高砂, 浩史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2019
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.28.621

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Summary:重症頭部外傷の治療成績はここ20年改善してきたであろうか? 低体温療法やプロゲステロン投与などさまざまな治療法が模索されてきたが, いまだわれわれは劇的な改善を得るに至らない. “重症頭部外傷” はびまん性脳損傷と局所性脳損傷が混在する不均一な病態で, 全身の多発外傷を合併することも多い. 外傷機転も一定でなく, 病態の均一化が難しいこともあり頭部外傷の分野ではエビデンスレベルの高いRCTが少ない. 治療ガイドラインはexpert opinionによって成り立つ部分が多いのが現状である. ここでは, 第4版にアップデートされた米国重症頭部外傷ガイドラインの改訂ポイントとAmerican College of SurgeonsのTrauma Quality Improvement Program (ACS TQIP) よりgoal directed approachを紹介する. 加えて, 比較的最近のRCTにみるエビデンスに基づく新たな治療トレンドに言及する.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.28.621