脱臼を伴った小児上腕骨外側顆骨折の治療経験
今回われわれは,2001年から2014年の間に手術加療を要した小児上腕骨外側顆骨折106例を経験し,そのうち脱臼を伴った症例を6例認め,それらの治療成績を脱臼併発群,非併発群に分け比較検討したので報告する.脱臼併発群は非併発群に比較して有意に年長であった(P<0.05).両群とも全ての症例で骨癒合が得られた.最終観察時の関節可動域,carrying angleに有意差はなかった.脱臼併発群において術後関節動揺性を認めた症例はなかったが,20°以上の外反肘とfish tail deformityを1例ずつに認めた.脱臼方向は6例すべて後内側方向であった.Milch分類ではI型3例,II型3...
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| Published in | 日本肘関節学会雑誌 Vol. 24; no. 2; pp. 55 - 59 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本肘関節学会
2017
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1349-7324 2434-2262 |
| DOI | 10.24810/jelbow.24.2_55 |
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| Summary: | 今回われわれは,2001年から2014年の間に手術加療を要した小児上腕骨外側顆骨折106例を経験し,そのうち脱臼を伴った症例を6例認め,それらの治療成績を脱臼併発群,非併発群に分け比較検討したので報告する.脱臼併発群は非併発群に比較して有意に年長であった(P<0.05).両群とも全ての症例で骨癒合が得られた.最終観察時の関節可動域,carrying angleに有意差はなかった.脱臼併発群において術後関節動揺性を認めた症例はなかったが,20°以上の外反肘とfish tail deformityを1例ずつに認めた.脱臼方向は6例すべて後内側方向であった.Milch分類ではI型3例,II型3例であった.内側の支持機構に関して,内側上顆骨折を伴った症例に対しては鋼線固定を施行したが,その他の症例では骨片固定後に関節の動揺性を認めなかったため,軟部組織の再建は行わなかった.初療時の的確な病態把握と診断が重要であり,脱臼併発症例でも適切な治療によって良好な成績を獲得することができた. |
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| ISSN: | 1349-7324 2434-2262 |
| DOI: | 10.24810/jelbow.24.2_55 |