もやもや病に対する脳血行再建術のエビデンス
もやもや病脳血行再建術のエビデンスを①成人虚血型, ②成人出血型, ③小児例, に分類して論じる. 成人虚血型ではメタアナリシスにより直接バイパスを含む術式が有効であることが示されている. 成人出血型ではJAM Trialやメタアナリシスにより, 直接バイパスを含む術式が再出血予防に有効であることが示されており, 後方出血群が自然予後不良かつ手術効果の高いサブグループであることや, 脈絡叢動脈型側副路が特に出血しやすい脆弱血管であることも明らかになりつつある. 小児例では術後成人期までの超長期追跡研究が注目されており, 血行再建の長期的虚血改善効果が明らかとなる一方, 成人後出血転化の問題が浮...
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Published in | 脳神経外科ジャーナル Vol. 29; no. 10; pp. 702 - 708 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本脳神経外科コングレス
2020
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0917-950X 2187-3100 |
DOI | 10.7887/jcns.29.702 |
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Summary: | もやもや病脳血行再建術のエビデンスを①成人虚血型, ②成人出血型, ③小児例, に分類して論じる. 成人虚血型ではメタアナリシスにより直接バイパスを含む術式が有効であることが示されている. 成人出血型ではJAM Trialやメタアナリシスにより, 直接バイパスを含む術式が再出血予防に有効であることが示されており, 後方出血群が自然予後不良かつ手術効果の高いサブグループであることや, 脈絡叢動脈型側副路が特に出血しやすい脆弱血管であることも明らかになりつつある. 小児例では術後成人期までの超長期追跡研究が注目されており, 血行再建の長期的虚血改善効果が明らかとなる一方, 成人後出血転化の問題が浮き彫りとなっている. |
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ISSN: | 0917-950X 2187-3100 |
DOI: | 10.7887/jcns.29.702 |