肘関節脱臼受傷時の動画を検討したことで損傷形態が明らかになった一例

【緒言】偶然撮影された外傷性肘関節脱臼の受傷動画から受傷肢位と損傷形態について検討した1例を報告する.【症例】43歳男性.ブレイブボードから転落し受傷し,肘関節前外側脱臼の診断となった.ストレス撮影で,不安定性があり手術加療とした.術中所見として,肘外側で橈側側副靱帯の部分断裂があり修復した.肘内側ではは前斜走線維,後斜走線維と屈筋群の完全断裂があり修復した.術後3か月時点で日常生活に支障なく経過良好であった.【考察】外傷性肘関節脱臼の中でPLRIは肘関節に軸圧,外旋,屈曲および外反の外力により外側側副靱帯損傷が起こり脱臼するといわれている.自験例では外旋ではなく,強い外反が加わって受傷してい...

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 29; no. 2; pp. 78 - 80
Main Authors 大谷, 慧, 石井, 紗矢佳, 石島, 旨章, 清水, 俊平, 原, 章, 市原, 理司, 鈴木, 雅生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2022
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ISSN1349-7324
2434-2262
DOI10.24810/jelbow.29.2_78

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Summary:【緒言】偶然撮影された外傷性肘関節脱臼の受傷動画から受傷肢位と損傷形態について検討した1例を報告する.【症例】43歳男性.ブレイブボードから転落し受傷し,肘関節前外側脱臼の診断となった.ストレス撮影で,不安定性があり手術加療とした.術中所見として,肘外側で橈側側副靱帯の部分断裂があり修復した.肘内側ではは前斜走線維,後斜走線維と屈筋群の完全断裂があり修復した.術後3か月時点で日常生活に支障なく経過良好であった.【考察】外傷性肘関節脱臼の中でPLRIは肘関節に軸圧,外旋,屈曲および外反の外力により外側側副靱帯損傷が起こり脱臼するといわれている.自験例では外旋ではなく,強い外反が加わって受傷していた.その受傷肢位はSchreiberらが動画解析から内側支持機構が破綻すると考えていたもので,手術所見とも一致する結果となった.【結語】受傷時の動画を正しく評価することは診断や治療の一助となりうる.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.29.2_78