市民公開講座 小田原在住高齢者の体力測定における実態調査・報告

【はじめに、目的】本学では基本理念の一つである「社会に開かれた大学」の実現と、大学が持つ知見を地域社会に還元し地域貢献を果たす事を目的に市民公開講座を開催している。2023年度は新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の制限が解除され完全対面形式にて実施された。理学療法学科のブースでは神奈川県西地区在住高齢者の身体機能の現状を明らかにするとともに、運動指導を行う基礎資料とするために新体力テスト (文部科学省一部改変)を実施した。この度、本学で実施された市民公開講座の結果について報告する。【方法】対象は、本学まで自力で通う事のできる神奈川県西地区在住者とした。まず、質問紙調査から過去1年間...

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Published in日本予防理学療法学会 学術大会プログラム・抄録集 p. 92
Main Authors 和田, 三幸, 須藤, 大輔, 齋藤, 孝義
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本予防理学療法学会 31.03.2025
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ISSN2758-7983
DOI10.57304/jsptpsuppl.3.Suppl.No.1.0_92

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Summary:【はじめに、目的】本学では基本理念の一つである「社会に開かれた大学」の実現と、大学が持つ知見を地域社会に還元し地域貢献を果たす事を目的に市民公開講座を開催している。2023年度は新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の制限が解除され完全対面形式にて実施された。理学療法学科のブースでは神奈川県西地区在住高齢者の身体機能の現状を明らかにするとともに、運動指導を行う基礎資料とするために新体力テスト (文部科学省一部改変)を実施した。この度、本学で実施された市民公開講座の結果について報告する。【方法】対象は、本学まで自力で通う事のできる神奈川県西地区在住者とした。まず、質問紙調査から過去1年間での転倒経験の有無を調査した。新体力テストは設備の都合上一部改変し、握力・上体起こし・長座体前屈・開眼片脚立ち・10m障害物歩行・ Time Up & Go Test(TUG)を実施した。また、年代による差をみるために60歳代以前と70歳代以降の2群に分類しMann-Whitney U検定を実施した。【結果】参加者65名のうちすべての項目を測定した42名の測定値を採用した。最も多い年代は70歳代 (20名:48%)次いで60歳代、 80歳代 (共に8名:19%)であった。質問紙より過去1年間の転倒経験有りと回答した者は2名であった。新体力テストの結果では上体起こしのみ有意差を認め (60歳代以前:7.9±6.3回、 70歳代以降:3.6±4.6回)、60歳代以前の群と比較して70歳代以降群は有意に低値を示した。他の測定項目については有意差を認めなかった。【考察】結果から参加者は高齢者が多かったものの本学まで自力で通う事のできる神奈川県西地区在住者であったため身体機能は全年代を通して比較的保たれていたと考える。一方で、上体起こしについては有意差を認めた。上体起こしは寝ている姿勢から起き上がる動作を繰り返す運動である。来場者は年齢を重ねると体幹屈筋群を起因とした運動に支障を来す可能性があると考える。【結論】高齢化に伴い、体幹機能は顕著に低下する。市民公開講座の参加者数はコロナ流行前に近づくと予想されるためデータを積み重ねていく必要がある。【倫理的配慮】国際医療福祉大学研究倫理審査委員会の承認を得て実施した。 (承認番号:22-ig-107)
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ISSN:2758-7983
DOI:10.57304/jsptpsuppl.3.Suppl.No.1.0_92