高度の脳血管攣縮をきたした小児AVMの1例

一般的に血管攣縮は脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血に高い頻度で認められる. 一方, 脳動静脈奇形によるくも膜下出血の程度は軽いため, 血管攣縮はまれとされている. われわれは高度の血管攣縮をきたした小児脳動静脈奇形の1例を経験したので報告する.  症例は8歳の女児で, 小脳の脳動静脈奇形破裂による脳室内出血, くも膜下出血にて来院した. 開頭術を第5病日に行ったが, 第12病日に高度の血管攣縮を発症して脳梗塞に至った. 本例では動脈瘤破裂後のくも膜下出血による血管攣縮の臨床経過とは異なる点が多く, 両側脳室と第4脳室に残存した血腫が血管攣縮に強く影響した可能性がある. 脳室内血腫を伴う脳動静脈奇...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 23; no. 11; pp. 909 - 915
Main Authors 水庭, 宜隆, 伊藤, 英道, 平本, 準, 小野寺, 英孝, 大塩, 恒太郎, 田中, 雄一郎, 内田, 将司, 小菅, 康史, 佐瀬, 泰玄, 高砂, 浩史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2014
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.23.909

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Summary:一般的に血管攣縮は脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血に高い頻度で認められる. 一方, 脳動静脈奇形によるくも膜下出血の程度は軽いため, 血管攣縮はまれとされている. われわれは高度の血管攣縮をきたした小児脳動静脈奇形の1例を経験したので報告する.  症例は8歳の女児で, 小脳の脳動静脈奇形破裂による脳室内出血, くも膜下出血にて来院した. 開頭術を第5病日に行ったが, 第12病日に高度の血管攣縮を発症して脳梗塞に至った. 本例では動脈瘤破裂後のくも膜下出血による血管攣縮の臨床経過とは異なる点が多く, 両側脳室と第4脳室に残存した血腫が血管攣縮に強く影響した可能性がある. 脳室内血腫を伴う脳動静脈奇形破裂後に生じた血管攣縮の特徴的な臨床経過を考察する.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.23.909