抗悪性腫瘍薬 VP 16-213 の生殖に及ぼす影響 (第3報) : ウサギにおける器官形成期経口投与試験

抗悪性腫瘍薬 VP 16-213 (VP) を 0.3, 1, 3及び 10 mg/kg/日の割合で妊娠 JW-NIBS ウサギに妊娠6日目より18日目までの13日間反復経口投与し, 概略次の結果を得た。1. VP 3 mg/kg以上の投与により, 母獣の死亡率は用量依存的に上昇したが, 1 mg/kg以下の投与群では VP 投与に基因すると考えられるこれらの変化はみられなかった。2. VP 各投与群の生存胎仔の体重はやや低値であったが, これは特定の母獣由来の胎仔体重の低下によるものであった。3. VP 3 mg/kg以下の投与群では, VP 投与に基因すると考えられる外表及び内部異常, 更...

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Published inThe Journal of Toxicological Sciences Vol. 11; no. SupplementI; pp. 227 - 239
Main Authors 高橋, 紀光, 石川, 克己, 門田, 利人, 浜島, 義規, 河村, 寿, 河野, 茂生, 甲斐, 修一, 黒柳, 幸司, 太田, 恵子, 太田, 敏
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本毒性学会 1986
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ISSN0388-1350
1880-3989
DOI10.2131/jts.11.SupplementI_227

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Summary:抗悪性腫瘍薬 VP 16-213 (VP) を 0.3, 1, 3及び 10 mg/kg/日の割合で妊娠 JW-NIBS ウサギに妊娠6日目より18日目までの13日間反復経口投与し, 概略次の結果を得た。1. VP 3 mg/kg以上の投与により, 母獣の死亡率は用量依存的に上昇したが, 1 mg/kg以下の投与群では VP 投与に基因すると考えられるこれらの変化はみられなかった。2. VP 各投与群の生存胎仔の体重はやや低値であったが, これは特定の母獣由来の胎仔体重の低下によるものであった。3. VP 3 mg/kg以下の投与群では, VP 投与に基因すると考えられる外表及び内部異常, 更には骨化進行度, 骨格変異及び骨格奇形に及ぼす影響はみられなかった。以上のように, ウサギの器官形成期に投与された VP は 3 mg/kg以上の投与量では妊娠母獣を用量依存的に死亡させたが, 妊娠維持可能な 3 mg/kg以下の投与量では胎仔の発育抑制及び催奇形性はみられないことが示唆された。従って, 本試験における親動物及び胎仔に対する VP の無影響量はそれぞれ1及び 3 mg/kg/日と考えられた。
ISSN:0388-1350
1880-3989
DOI:10.2131/jts.11.SupplementI_227