鈍的外傷後の遅発性副腎破裂の一例

Gerota筋膜に包まれて後腹膜腔に存在する副腎は, パッキング効果が働きやすいため, 外傷性副腎損傷例の多くは自然止血が得られる. 症例は85歳男性. 鈍的外傷による十二指腸損傷疑い, 右副腎損傷, 第1–4腰椎右横突起骨折で入院となった. 保存的加療としたが, 入院20日目に突然発症の右側腹部痛と血圧低下を認めた. 造影CT検査で遅発性副腎破裂に伴う出血性ショックと診断し, 緊急経カテーテル的動脈塞栓術を行った. 副腎の遅発性破裂は過去に報告例がなく, まれな経過であるが, 迅速な診断と止血治療が必要である....

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Published in日本外傷学会雑誌 Vol. 33; no. 4; pp. 409 - 412
Main Authors 浦城, 淳二, 楠田, 司, 佐藤, 啓太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本外傷学会 20.10.2019
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ISSN1340-6264
2188-0190
DOI10.11382/jjast.33.409

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Summary:Gerota筋膜に包まれて後腹膜腔に存在する副腎は, パッキング効果が働きやすいため, 外傷性副腎損傷例の多くは自然止血が得られる. 症例は85歳男性. 鈍的外傷による十二指腸損傷疑い, 右副腎損傷, 第1–4腰椎右横突起骨折で入院となった. 保存的加療としたが, 入院20日目に突然発症の右側腹部痛と血圧低下を認めた. 造影CT検査で遅発性副腎破裂に伴う出血性ショックと診断し, 緊急経カテーテル的動脈塞栓術を行った. 副腎の遅発性破裂は過去に報告例がなく, まれな経過であるが, 迅速な診断と止血治療が必要である.
ISSN:1340-6264
2188-0190
DOI:10.11382/jjast.33.409