発症から18時間後の機械的血栓回収療法により神経症状が改善した内頚動脈塞栓症の1例
2015年に発表された5つのランダム化比較試験により, 機械的血栓回収療法の有効性が確立した. 本邦の適正使用指針では発症8時間以内が治療適応となるが, いわゆるwake up strokeやunknown onsetなどでは, その適応に悩む症例がある. われわれは発症から18時間経過した右内頚動脈塞栓症例において, diffusion weighted image (DWI)-fluid attenuated inversion recovery (FLAIR) mismatchの存在から機械的血栓回収療法を施行し神経症状の回復を得た症例を経験した. 本症例では右頚部内頚動脈から中大脳動脈...
Saved in:
Published in | 脳神経外科ジャーナル Vol. 27; no. 12; pp. 915 - 920 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本脳神経外科コングレス
2018
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0917-950X 2187-3100 |
DOI | 10.7887/jcns.27.915 |
Cover
Summary: | 2015年に発表された5つのランダム化比較試験により, 機械的血栓回収療法の有効性が確立した. 本邦の適正使用指針では発症8時間以内が治療適応となるが, いわゆるwake up strokeやunknown onsetなどでは, その適応に悩む症例がある. われわれは発症から18時間経過した右内頚動脈塞栓症例において, diffusion weighted image (DWI)-fluid attenuated inversion recovery (FLAIR) mismatchの存在から機械的血栓回収療法を施行し神経症状の回復を得た症例を経験した. 本症例では右頚部内頚動脈から中大脳動脈にかけて連続する多量の血栓が存在し, 血栓の飛散が段階的に生じたことでtherapeutic time windowが延長された可能性も示唆された. 発症から時間が経過した症例においても, DWI-FLAIR mismatchが認められる症例では機械的血栓回収療法が有効となる可能性が示唆された. |
---|---|
ISSN: | 0917-950X 2187-3100 |
DOI: | 10.7887/jcns.27.915 |