ステント治療を行った鎖骨下動脈損傷の4例

外傷性鎖骨下動脈損傷に対しての治療は, これまでは外科的修復手術が中心であった. しかし, 昨今, 四肢をはじめとする血管外傷の症例で, ステントを用いた血管内手術の報告が増加している. 今回, 当施設で外傷性鎖骨下動脈損傷に対するステント手術4例を施行した. 機序は, 鈍的損傷が3例, 穿通性損傷が1例である. 2例にベアメタルステント, その他2例にカバードグラフトステントを用いて初回治療を完了した. それぞれのフォロー期間中において全症例で開存を認めている. 外科手術と比較しての長期成績, 抗血栓療法の必要性など, 考慮すべき点はあるが, 外傷性鎖骨下動脈損傷においてステントを用いた血管...

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Published in日本外傷学会雑誌 Vol. 33; no. 3; pp. 347 - 350
Main Authors 小林, 辰輔, 池田, 督司, 加藤, 頼子, 宮崎, 善史, 井上, 潤一, 松本, 学, 大嶽, 康介, 横田, 裕行, 木下, 大輔, 岩瀬, 史明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本外傷学会 20.07.2019
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ISSN1340-6264
2188-0190
DOI10.11382/jjast.33.347

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Summary:外傷性鎖骨下動脈損傷に対しての治療は, これまでは外科的修復手術が中心であった. しかし, 昨今, 四肢をはじめとする血管外傷の症例で, ステントを用いた血管内手術の報告が増加している. 今回, 当施設で外傷性鎖骨下動脈損傷に対するステント手術4例を施行した. 機序は, 鈍的損傷が3例, 穿通性損傷が1例である. 2例にベアメタルステント, その他2例にカバードグラフトステントを用いて初回治療を完了した. それぞれのフォロー期間中において全症例で開存を認めている. 外科手術と比較しての長期成績, 抗血栓療法の必要性など, 考慮すべき点はあるが, 外傷性鎖骨下動脈損傷においてステントを用いた血管内治療は有効であると考える.
ISSN:1340-6264
2188-0190
DOI:10.11382/jjast.33.347