幼児の上腕骨外側顆骨折後偽関節の2例

はじめに:上腕骨外側顆骨折は転位がある場合,保存治療では偽関節となり将来,外反肘や遅発性尺骨神経麻痺を生ずる可能性が高い.今回,上腕骨外側顆骨折後偽関節の2例を経験した. 症例:症例1:3歳男児.転倒受傷した.他院で経皮鋼線刺入術を受けたが,抜釘後に骨片が転位し当院を紹介された.偽関節の診断に対し,骨移植せずに骨接合術を行った.骨癒合が得られ,最終観察時の肘関節可動域は伸展-5°,屈曲140°であった.骨折部に短縮を認めるも,明らかな外反肘は認めなかった.症例2:2歳男児.転倒受傷した.他院で保存加療行うも骨癒合が得られず,当院を紹介された.偽関節の診断に対し,骨移植せずに骨接合術を行った.骨...

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 25; no. 2; pp. 19 - 20
Main Authors 石井, 紗矢佳, 鈴木, 雅生, 市原, 理司, 志村, 有永, 原, 章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2018
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ISSN1349-7324
2434-2262
DOI10.24810/jelbow.25.2_19

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Summary:はじめに:上腕骨外側顆骨折は転位がある場合,保存治療では偽関節となり将来,外反肘や遅発性尺骨神経麻痺を生ずる可能性が高い.今回,上腕骨外側顆骨折後偽関節の2例を経験した. 症例:症例1:3歳男児.転倒受傷した.他院で経皮鋼線刺入術を受けたが,抜釘後に骨片が転位し当院を紹介された.偽関節の診断に対し,骨移植せずに骨接合術を行った.骨癒合が得られ,最終観察時の肘関節可動域は伸展-5°,屈曲140°であった.骨折部に短縮を認めるも,明らかな外反肘は認めなかった.症例2:2歳男児.転倒受傷した.他院で保存加療行うも骨癒合が得られず,当院を紹介された.偽関節の診断に対し,骨移植せずに骨接合術を行った.骨癒合が得られ,最終観察時の肘関節可動域は伸展-10°,屈曲130°と痛みなく使えている. まとめ:骨欠損を認めても骨移植せずに治療しえた上腕骨外側顆骨折後偽関節の2例を報告した.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.25.2_19