舌下神経麻痺を呈した斜台部特発性肥厚性硬膜炎の1例

肥厚性硬膜炎は頭痛や脳神経症状を呈し, 硬膜の慢性肥厚性炎症を特徴とする疾患である. 腫瘤様の特発性肥厚性硬膜炎の場合, 髄膜腫との鑑別が画像上困難な場合がある. 今回われわれは, 舌下神経麻痺を呈し, 生検術にて確定診断に至った斜台部特発性肥厚性硬膜炎の1例を経験した. MRIでは髄膜腫を想起させる髄外の腫瘤性病変であり, 確定診断のために生検術を必要とした. 特発性肥厚性硬膜炎と髄膜腫では治療方針がまったく異なるため, 生検による正確な診断後に治療すべきであると考えられる....

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 28; no. 10; pp. 640 - 645
Main Authors 辛島, 聡志, 亀田, 勝治, 一ツ松, 勤, 石堂, 克哉, 杉田, 保雄, 西田, 直代
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2019
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.28.640

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Summary:肥厚性硬膜炎は頭痛や脳神経症状を呈し, 硬膜の慢性肥厚性炎症を特徴とする疾患である. 腫瘤様の特発性肥厚性硬膜炎の場合, 髄膜腫との鑑別が画像上困難な場合がある. 今回われわれは, 舌下神経麻痺を呈し, 生検術にて確定診断に至った斜台部特発性肥厚性硬膜炎の1例を経験した. MRIでは髄膜腫を想起させる髄外の腫瘤性病変であり, 確定診断のために生検術を必要とした. 特発性肥厚性硬膜炎と髄膜腫では治療方針がまったく異なるため, 生検による正確な診断後に治療すべきであると考えられる.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.28.640