成人の橈骨頚部骨折に対して鋼線を用いた髄内釘固定術を施行した2症例

【目的】成人橈骨頚部骨折対して鋼線による髄内釘整復固定術で良好な結果が得られたため報告する.【症例】症例1:25歳女性.元大学器械体操部選手でアクロバット演技中に着地に失敗し受傷.Morrey分類type II(橈骨頚部角13度)の橈骨頚部骨折の診断.鋼線による髄内釘固定術を選択.術後3ヶ月時で骨癒合し抜釘.疼痛なく可動域も左右差.術後5ヶ月で演技に復帰.症例2:22歳女性.事務職.自転車通勤中に転倒し受傷.Morrey分類type II(橈骨頚部角26度)の左橈骨頚部骨折と内側側副靭帯・屈筋損傷を受傷.鋼線による橈骨頚部の髄内釘固定術と靭帯・筋修復術を施行.術後4ヶ月で抜釘し,疼痛なく可動域...

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 26; no. 2; pp. 61 - 63
Main Author 城内, 泰造
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2019
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ISSN1349-7324
2434-2262
DOI10.24810/jelbow.26.2_61

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Summary:【目的】成人橈骨頚部骨折対して鋼線による髄内釘整復固定術で良好な結果が得られたため報告する.【症例】症例1:25歳女性.元大学器械体操部選手でアクロバット演技中に着地に失敗し受傷.Morrey分類type II(橈骨頚部角13度)の橈骨頚部骨折の診断.鋼線による髄内釘固定術を選択.術後3ヶ月時で骨癒合し抜釘.疼痛なく可動域も左右差.術後5ヶ月で演技に復帰.症例2:22歳女性.事務職.自転車通勤中に転倒し受傷.Morrey分類type II(橈骨頚部角26度)の左橈骨頚部骨折と内側側副靭帯・屈筋損傷を受傷.鋼線による橈骨頚部の髄内釘固定術と靭帯・筋修復術を施行.術後4ヶ月で抜釘し,疼痛なく可動域制限.いずれも最終診察の術後12か月で経過良好.【考察】観血的操作では肘関節周囲組織への侵襲が大きい.小児で適応が多い髄内釘固定術だが,成人でも十分な固定力があり,有用な選択肢の一つと考えられた.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.26.2_61