HRVを応用した自律神経と唾液分泌量との関連性の評価
本研究の目的は, 唾液分泌量低下と自律神経活動量との関連を検索するために, 心拍変動 (Heart Rate Variability ; HRV) により評価した自律神経活動量と, 唾液分泌量に関連性がみられるかを検証することである。 健常成人14名 (男性9名, 女性5名, 平均年齢30.6±3.8歳) を被験者とし, 同一被験者間で15分間の安静時唾液量と, 10分間の刺激唾液量を測定した。その際, 条件A : 安静時唾液量測定開始直後3分間, 条件B : 安静時唾液量測定終了直前3分間, 条件C : ガムテスト測定開始直後3分間, 条件D : ガムテスト測定終了直前3分間の計4条件にてH...
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Published in | 老年歯科医学 Vol. 26; no. 3; pp. 319 - 326 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本老年歯科医学会
2011
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Subjects | |
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ISSN | 0914-3866 1884-7323 |
DOI | 10.11259/jsg.26.319 |
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Summary: | 本研究の目的は, 唾液分泌量低下と自律神経活動量との関連を検索するために, 心拍変動 (Heart Rate Variability ; HRV) により評価した自律神経活動量と, 唾液分泌量に関連性がみられるかを検証することである。 健常成人14名 (男性9名, 女性5名, 平均年齢30.6±3.8歳) を被験者とし, 同一被験者間で15分間の安静時唾液量と, 10分間の刺激唾液量を測定した。その際, 条件A : 安静時唾液量測定開始直後3分間, 条件B : 安静時唾液量測定終了直前3分間, 条件C : ガムテスト測定開始直後3分間, 条件D : ガムテスト測定終了直前3分間の計4条件にてHRV測定を行い, 唾液分泌量とHRV周波数解析結果との相関を検討した。また, 自律神経系活性を反映するHRV周波数解析から得たTotal power (TP), Low Frequency (LF), High Frequency (HF), LF/HFならびに分泌量への影響が考えられるBMIを説明変数とし, 唾液分泌量を従属変数とした重回帰分析 (ステップワイズ法) を行い, 唾液分泌量に影響する因子を検討した。安静時唾液量測定終了直前3分間, ならびにガムテスト測定終了直前3分間においてLF/HFに唾液分泌量との有意な相関が認められた。健常成人では唾液分泌量とLF/HFとの間に正の相関がみられた。HRVにより自律神経活動量が唾液分泌量に与える影響を評価できる可能性が示唆された。 |
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ISSN: | 0914-3866 1884-7323 |
DOI: | 10.11259/jsg.26.319 |