経皮内視鏡的胃瘻造設術 (PEG) 後の経腸栄養導入期に対する粘度調整食品REF-P1併用療法の有用性の検討

経腸栄養導入期は慎重な管理が求められる。粘度調整食品REF-P1は流動食を胃内でゲル化することで、短時間での投与が可能である。以前は下痢、嘔吐発生後に併用していたが、症状出現後に対策をとるため経腸栄養導入の遅延や新たな介護の負担を増やしてきた。今回、経皮内視鏡的胃瘻造設術後の経腸栄養導入期からREF-P1を予防的に併用し、その効果をみた。到達目標量は2例900kcal、27例1200kcalで、全例注入は30分以内で施行した。全例で嘔吐は認めなかった。下痢は2例 (経腸栄養開始時1例、4病日1例) 認めたが、1-2日で軽快し、経腸栄養を継続できた。目標熱量到達までの期間は900kcalの2例は...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本静脈経腸栄養学会雑誌 Vol. 32; no. 1; pp. 878 - 881
Main Authors 中村, 麻里, 高岡, 雄大, 掛川, ちさと, 山田, 正紀, 高松, 悠, 野崎, 哲史, 田中, 琢磨, 明石, 哲郎, 清水, 純子, 熊本, チエ子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会 2017
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2189-0161
2189-017X
DOI10.11244/jspen.32.878

Cover

More Information
Summary:経腸栄養導入期は慎重な管理が求められる。粘度調整食品REF-P1は流動食を胃内でゲル化することで、短時間での投与が可能である。以前は下痢、嘔吐発生後に併用していたが、症状出現後に対策をとるため経腸栄養導入の遅延や新たな介護の負担を増やしてきた。今回、経皮内視鏡的胃瘻造設術後の経腸栄養導入期からREF-P1を予防的に併用し、その効果をみた。到達目標量は2例900kcal、27例1200kcalで、全例注入は30分以内で施行した。全例で嘔吐は認めなかった。下痢は2例 (経腸栄養開始時1例、4病日1例) 認めたが、1-2日で軽快し、経腸栄養を継続できた。目標熱量到達までの期間は900kcalの2例は流動食開始から2日目に、1200kcalの24例は3日目、3例は4日目に到達した。REF-P1併用の経腸栄養は短時間で投与でき、目標熱量に早期に到達できた。他の半固形状流動食より投与も簡便にでき、患者のQOL及び介護者の負担軽減に寄与すると考えられた。
ISSN:2189-0161
2189-017X
DOI:10.11244/jspen.32.878