肘頭骨折に対する tension band wiring法のback out防止対策

はじめに:肘頭骨折に対するtension band wiring(TBW)法はしばしばKirschner鋼線(K-wire)のback outを認める.そこで当院ではback outの防止のため軟鋼線をdouble twistで締結し,締結部分でK-wire端を上から抑え込む形のback out防止対策を行っている.今回本法の術後成績およびK-wireの移動距離を検討したので報告する. 対象及び方法:本法を施行した14例14肘を対象とした.K-wireの移動距離は,単純レントゲン側面像でのK-wire端の術直後と最終調査時の移動距離とした. 結果:全例で骨癒合を認め,back out発生率は1...

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 28; no. 2; pp. 39 - 41
Main Authors 吉川, 康弘, 飯ヶ谷, るり子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2021
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ISSN1349-7324
2434-2262
DOI10.24810/jelbow.28.2_39

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Summary:はじめに:肘頭骨折に対するtension band wiring(TBW)法はしばしばKirschner鋼線(K-wire)のback outを認める.そこで当院ではback outの防止のため軟鋼線をdouble twistで締結し,締結部分でK-wire端を上から抑え込む形のback out防止対策を行っている.今回本法の術後成績およびK-wireの移動距離を検討したので報告する. 対象及び方法:本法を施行した14例14肘を対象とした.K-wireの移動距離は,単純レントゲン側面像でのK-wire端の術直後と最終調査時の移動距離とした. 結果:全例で骨癒合を認め,back out発生率は1鋼線/28鋼線(3.6%),1肘/14肘(7.1%)であった. 考察:本法は簡便な操作で,TBW法の骨折部への圧迫力を高める効果を有するうえ, back outの防止効果もある有用な方法と考えられた.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.28.2_39