新鮮Monteggia骨折における橈骨頭脱臼観血的整復術の必要性

新鮮Monteggia骨折の治療は橈骨頭脱臼の確実な整復が重要である.橈骨頭の観血的整復術を要した新鮮Monteggia骨折を後ろ向きに検討した.対象は17例17肘,骨端線閉鎖前(小児例)は14例で年齢は2~14歳(平均7.9歳),骨端線閉鎖後(成人例)は3例で年齢は18,32,73歳である.14例で手術治療,3例で保存治療を行った.全例透視下に橈骨頭の整復位を確認し,前腕回内でわずかでも橈骨頭が前方脱臼を示した症例は全て観血的に橈骨頭の観血的手術を行った.観血的整復術を要したのは,小児例では14例中5例(35.7%),成人3例は全てであり,小児と成人例を合せると47.1%であった.全例で輪状...

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 25; no. 2; pp. 27 - 30
Main Author 黒沢, 一也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2018
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ISSN1349-7324
2434-2262
DOI10.24810/jelbow.25.2_27

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Summary:新鮮Monteggia骨折の治療は橈骨頭脱臼の確実な整復が重要である.橈骨頭の観血的整復術を要した新鮮Monteggia骨折を後ろ向きに検討した.対象は17例17肘,骨端線閉鎖前(小児例)は14例で年齢は2~14歳(平均7.9歳),骨端線閉鎖後(成人例)は3例で年齢は18,32,73歳である.14例で手術治療,3例で保存治療を行った.全例透視下に橈骨頭の整復位を確認し,前腕回内でわずかでも橈骨頭が前方脱臼を示した症例は全て観血的に橈骨頭の観血的手術を行った.観血的整復術を要したのは,小児例では14例中5例(35.7%),成人3例は全てであり,小児と成人例を合せると47.1%であった.全例で輪状靱帯と関節包が上腕骨小頭を覆うように腕橈関節に介在し橈骨頭の整復障害因子となっていた.新鮮Monteggia骨折の治療にあたっては前腕回内位での橈骨頭の整復状態を注意深く確認することが重要である.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.25.2_27