心室縮小形成手術が有効であった先天性拡張型心筋症の1例
症例は生後4カ月, 女児. 生直後より心不全を認め, 心エコー上の診断は, 左室低形成を伴う完全型房室中隔欠損, 両大血管右室起始症および著明な左室収縮能低下を伴う拡張型心筋症であった. 生後1カ月よりカルベジロールを導入するも効果がみられず, 心不全症状は増悪. カテーテル検査にて, 拡大した左室がdamping chamberとなって, 右室からの心室拍出量を減少させており, 外科適応と考えられた. 啼鳴時に急変し, 挿管, ICU管理となり, 人工呼吸管理, ミルリノン投与下で当院転院. 著明に拡張し収縮能の低下した左室が右室からの全身への心拍出を減少させていると考えられ, 収縮能の改善...
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Published in | 心臓 Vol. 41; no. 1; pp. 51 - 55 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2009
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Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.41.51 |
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Summary: | 症例は生後4カ月, 女児. 生直後より心不全を認め, 心エコー上の診断は, 左室低形成を伴う完全型房室中隔欠損, 両大血管右室起始症および著明な左室収縮能低下を伴う拡張型心筋症であった. 生後1カ月よりカルベジロールを導入するも効果がみられず, 心不全症状は増悪. カテーテル検査にて, 拡大した左室がdamping chamberとなって, 右室からの心室拍出量を減少させており, 外科適応と考えられた. 啼鳴時に急変し, 挿管, ICU管理となり, 人工呼吸管理, ミルリノン投与下で当院転院. 著明に拡張し収縮能の低下した左室が右室からの全身への心拍出を減少させていると考えられ, 収縮能の改善と心拍出の障害を改善させるため, 入院2日目に心室縮小形成手術を施行. 術後心機能が改善したところで, high flow, 両心室のdyssynchronyに対し, 両方向性グレン手術および両心室ペーシングを行った. その後経過良好にて引き続きフォンタン手術を予定し, 退院となった. 心室縮小手術による心機能改善がその後の治療継続のために必要であった症例と考えられた. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.41.51 |