側頭骨病変を伴ったランゲルハンス細胞組織球症の4症例 自験例での非側頭骨症例との比較

ランゲルハンス細胞組織球症は、全身臓器にランゲルハンス細胞が増殖、浸潤する原因不明の疾患である。今回、経験した側頭骨病変を伴ったランゲルハンス細胞組織球症4例のうち1例を提示し、側頭骨病変を伴わない症例との比較、および文献的考察を加えて報告する。症例は1歳の女児で、右血性耳漏を主訴に受診した。外耳道後上部に肉芽を認めたため、側頭骨CTを施行したところ、側頭骨に破壊性病変が認められた。自験例では側頭骨群は全例が3歳未満で多臓器多病変型 (MM型) であり、非側頭骨群よりも乳幼児に多かった。本疾患では、鼓膜正常な外耳道肉芽と側頭骨の破壊性病変、全身の多発性丘疹が高頻度に認められる。小児において、特...

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Published inOtology Japan Vol. 24; no. 5; pp. 779 - 784
Main Authors 中村, 真美子, 深美, 悟, 平林, 秀樹, 柏木, 隆志, 田中, 康広, 金谷, 洋明, 春名, 眞一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳科学会 25.12.2014
日本耳科学会
Subjects
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ISSN0917-2025
1884-1457
DOI10.11289/otoljpn.24.779

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Summary:ランゲルハンス細胞組織球症は、全身臓器にランゲルハンス細胞が増殖、浸潤する原因不明の疾患である。今回、経験した側頭骨病変を伴ったランゲルハンス細胞組織球症4例のうち1例を提示し、側頭骨病変を伴わない症例との比較、および文献的考察を加えて報告する。症例は1歳の女児で、右血性耳漏を主訴に受診した。外耳道後上部に肉芽を認めたため、側頭骨CTを施行したところ、側頭骨に破壊性病変が認められた。自験例では側頭骨群は全例が3歳未満で多臓器多病変型 (MM型) であり、非側頭骨群よりも乳幼児に多かった。本疾患では、鼓膜正常な外耳道肉芽と側頭骨の破壊性病変、全身の多発性丘疹が高頻度に認められる。小児において、特色のある耳内所見、骨破壊を伴った側頭骨病変、多発性皮疹が本疾患の診断へと導く重要な所見であると思われた。
ISSN:0917-2025
1884-1457
DOI:10.11289/otoljpn.24.779