昭和37年380号通達以後の精神薄弱児施設と学校教育の関係の実態とその課題

1962 (昭和37) 年の380号通達から養護学校義務制実施予告令が出さるまでの精神薄弱児施設と学校教育の関係を検討した。教育行政や福祉行政に関する答申や意見具申等には精神薄弱児施設の入所児に対する学校教育の方向性や見解が示されていた。それらによって精神薄弱児施設は重度の入所児の就学問題と中度軽度の入所児の学校教育の問題に直面し課題を抱えることになった。重度の入所児の就学問題は就学免除又は猶予と関連し、精神薄弱児施設はそれらの入所児に教育 (学習指導と生活指導)を提供していたが、1971 (昭和46) 年『養護学校 (精神薄弱) 小学部・中学部学習指導要領』に新設された「養護・訓練」と「生活...

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Published in障害科学研究 Vol. 49; no. 1; pp. 1 - 14
Main Author 高野 聡子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 障害科学学会 31.03.2025
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ISSN1881-5812
2432-0714
DOI10.20847/adsj.49.1_1

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Summary:1962 (昭和37) 年の380号通達から養護学校義務制実施予告令が出さるまでの精神薄弱児施設と学校教育の関係を検討した。教育行政や福祉行政に関する答申や意見具申等には精神薄弱児施設の入所児に対する学校教育の方向性や見解が示されていた。それらによって精神薄弱児施設は重度の入所児の就学問題と中度軽度の入所児の学校教育の問題に直面し課題を抱えることになった。重度の入所児の就学問題は就学免除又は猶予と関連し、精神薄弱児施設はそれらの入所児に教育 (学習指導と生活指導)を提供していたが、1971 (昭和46) 年『養護学校 (精神薄弱) 小学部・中学部学習指導要領』に新設された「養護・訓練」と「生活科」と施設が提供する教育の類似性等から、施設で提供する教育を学校教育として見なすという見解に発展した。また、中度軽度の精神薄弱児の教育を保障するため、精神薄弱児施設は敷地内に分校や学級を設けて学校教育を提供するものの運営面において課題を抱えていた。
ISSN:1881-5812
2432-0714
DOI:10.20847/adsj.49.1_1