アメーバ経営における両利き経営に関する事例研究

アメーバ経営が小集団部門別採算制度という管理会計システムによって漸進的イノベーションを生み出し,短期的な効率性・生産性を向上させることは,多くの先行研究が明らかにしてきた.しかし,短期的な目標の達成ばかりを追求しては将来の成長のための革新的イノベーションの創出を軽視してしまう可能性がある.それでは,アメーバ経営はどのように革新的イノベーションの創出を促しているのであろうか.このことについて先行研究ではあまり議論されてこなかった.本稿は,漸進的イノベーションと革新的イノベーションの両方を促す両利き経営に注目した.アメーバ経営を管理会計とフィロソフィの両輪から捉え,アメーバ経営において両利き経営は...

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Published in管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌 Vol. 33; no. 1; pp. 43 - 61
Main Authors 劉, 美玲, 三矢, 裕, 窪田, 祐一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本管理会計学会 28.03.2025
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ISSN0918-7863
2434-0529
DOI10.24747/jma.33.1_43

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Summary:アメーバ経営が小集団部門別採算制度という管理会計システムによって漸進的イノベーションを生み出し,短期的な効率性・生産性を向上させることは,多くの先行研究が明らかにしてきた.しかし,短期的な目標の達成ばかりを追求しては将来の成長のための革新的イノベーションの創出を軽視してしまう可能性がある.それでは,アメーバ経営はどのように革新的イノベーションの創出を促しているのであろうか.このことについて先行研究ではあまり議論されてこなかった.本稿は,漸進的イノベーションと革新的イノベーションの両方を促す両利き経営に注目した.アメーバ経営を管理会計とフィロソフィの両輪から捉え,アメーバ経営において両利き経営はどのように実施できるのかについて,事例研究を通じて調査を行った.調査の結果,アメーバ経営において,(1)管理会計は既存の知識の活用をドライブすること,(2)フィロソフィは新しい知識の探索をドライブすること,(3)知識の活用による成果が知識の探索をサポートすることがわかった.
ISSN:0918-7863
2434-0529
DOI:10.24747/jma.33.1_43