ソニー経理におけるDX活用の事例と挑戦

ソニーの経理部門におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みについて紹介する.経理業務の自動化を目的に,2016年からロボティクス・プロセス・オートメーション(RPA)を導入し,年間約15,000時間の経理業務を自動化している.RPAの導入により,決算業務のスピードと精度が向上し,効率的な業務運営が実現していたが,2021年からは中期計画にテクノロジーと人材育成を組み込み,2022年夏にはDX推進課を設立した.具体的なツールとしては,BIツールのTableauと優れたETL機能(データの収集・加工・送出)を持つAlteryxを活用し,業務の効率化とガバナンス強化を図っている.Ta...

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Published in管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌 Vol. 33; no. 2; pp. 15 - 21
Main Author 林, 尚史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本管理会計学会 28.03.2025
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ISSN0918-7863
2434-0529
DOI10.24747/jma.33.2_15

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Summary:ソニーの経理部門におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みについて紹介する.経理業務の自動化を目的に,2016年からロボティクス・プロセス・オートメーション(RPA)を導入し,年間約15,000時間の経理業務を自動化している.RPAの導入により,決算業務のスピードと精度が向上し,効率的な業務運営が実現していたが,2021年からは中期計画にテクノロジーと人材育成を組み込み,2022年夏にはDX推進課を設立した.具体的なツールとしては,BIツールのTableauと優れたETL機能(データの収集・加工・送出)を持つAlteryxを活用し,業務の効率化とガバナンス強化を図っている.Tableauは経理業務の各プロセスで活用され,データの可視化と分析を支援している.Alteryxは大量データの高速処理を可能にし,手作業によるエラーを削減している.今後は,AI技術の活用やデータの自動化を進め,経営判断に資する情報提供を目指す.特に,生成AIやAI-OCRの導入により,さらなる業務効率化と高度な分析が期待される.
ISSN:0918-7863
2434-0529
DOI:10.24747/jma.33.2_15