金井論文に対するEditorial Comment リンパ節生検は,心サルコイドーシス診断における決定力不足を解消するか

"決定力不足"は, サッカーの世界だけの話ではない. サルコイドーシスは原因不明の全身性肉芽腫性疾患である. 罹患臓器で壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫が証明された場合, 組織診断群として診断が確定する. 一方で, 臓器特異的な臨床所見を組み合わせて"臨床診断群"として診断することが可能である. 以前から臨床的に心サルコイドーシスが強く疑われるが, 特徴的な検査所見および肺や眼の病変がない症例, いわゆる心臓孤発例が存在することが知られていた. しかし, 心筋生検による組織診断陽性率が10%程度であることから心臓孤発例を心サルコイドーシスと診断するのは困難...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in心臓 Vol. 50; no. 9; pp. 1024 - 1025
Main Author 矢野, 俊之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.09.2018
日本心臓財団・日本循環器学会
Online AccessGet full text
ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.50.1024

Cover

More Information
Summary:"決定力不足"は, サッカーの世界だけの話ではない. サルコイドーシスは原因不明の全身性肉芽腫性疾患である. 罹患臓器で壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫が証明された場合, 組織診断群として診断が確定する. 一方で, 臓器特異的な臨床所見を組み合わせて"臨床診断群"として診断することが可能である. 以前から臨床的に心サルコイドーシスが強く疑われるが, 特徴的な検査所見および肺や眼の病変がない症例, いわゆる心臓孤発例が存在することが知られていた. しかし, 心筋生検による組織診断陽性率が10%程度であることから心臓孤発例を心サルコイドーシスと診断するのは困難であった.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.50.1024