大動脈弁無冠尖に発症した乳頭状弾性線維腫の 1 手術例

72 歳女性.腰部脊柱管狭窄症の手術前に施行した経胸壁心臓超音波検査で大動脈弁無冠尖に 9 mm×7 mm 大の有茎性の腫瘍性病変を認めた.大動脈弁膜症,炎症反応上昇,塞栓症状は認めなかったが,可動性があり塞栓症の危険があるため人工心肺心停止下に腫瘍摘出術(大動脈弁尖は温存)を施行した.腫瘍は,大動脈弁無冠尖に付着し,境界明瞭であった.病理診断は,乳頭状弾性線維腫 (Papillary fibroelastoma: PFE) であった.術後経過は,良好で独歩退院した.大動脈弁に起源する心臓腫瘍は稀であり,単純切除のみで弁尖を温存でき,弁機能を低下させることなく温存できたので報告する....

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Published in日大医学雑誌 Vol. 78; no. 5; pp. 305 - 308
Main Authors 北住, 善樹, 宇野澤, 聡, 林, 佑樹, 田中, 正史, 有本, 宗仁, 大幸, 俊司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大学医学会 01.10.2019
Subjects
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ISSN0029-0424
1884-0779
DOI10.4264/numa.78.5_305

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Summary:72 歳女性.腰部脊柱管狭窄症の手術前に施行した経胸壁心臓超音波検査で大動脈弁無冠尖に 9 mm×7 mm 大の有茎性の腫瘍性病変を認めた.大動脈弁膜症,炎症反応上昇,塞栓症状は認めなかったが,可動性があり塞栓症の危険があるため人工心肺心停止下に腫瘍摘出術(大動脈弁尖は温存)を施行した.腫瘍は,大動脈弁無冠尖に付着し,境界明瞭であった.病理診断は,乳頭状弾性線維腫 (Papillary fibroelastoma: PFE) であった.術後経過は,良好で独歩退院した.大動脈弁に起源する心臓腫瘍は稀であり,単純切除のみで弁尖を温存でき,弁機能を低下させることなく温存できたので報告する.
ISSN:0029-0424
1884-0779
DOI:10.4264/numa.78.5_305